「e-tron充電サービスは我々のEV分野の攻勢をさらに後押しするだろう。アウディe-tronに続き2019年にはe-tronスポーツバックがEV市販車ラインアップに加わり、2020年にはAudi Sportブランドからe-tron GTが発売される。EV車両の航続距離や充電の悩みや心配事に対する解決策をすでに多く所有している」とアウディAG技術開発部門取締役のPeter Mertens氏はコメントした。
この新たな充電サービスでアウディはすべてのe-tronやその他のプラグイン車両ユーザーにヨーロッパの約80%近くの充電ステーションを利用できるようになった。市場投入時点ですでにEUの16か国で72000か所の充電ステーションがサービスに加盟している。さらに数か月後には東ヨーロッパにおける8市場も加わりさらに拡充される。どの充電ステーションでも同じ会計で、適切な価格モデルで行われる。
充電サービスの一連の流れはとてもシンプルだ。直流だろうが交流だろうが、11kW充電だろうが150kW充電だろうが、たった一枚のe-tron充電サービスカードさえあればいいのだ。他系列の充電ステーションでもスマートフォンでQRコードを読み込むだけで済む。利用者はmyAudiアプリで毎回登録し、月末にまとめて自動的に支払いが完了する。同アプリからはアカウント管理や充電記録などをいつでも参照することができる。
「e-tron充電サービスを通じて、我々はe-tronシリーズの市場投入を待たずに第一級の充電サービスを完備する。我々の製品は常にカスタマーのニーズがベースとなっている。今後とも、パートナーのデジタル・チャージング・ソリューション社と協力して着実にサービスを拡大するつもりだ」とアウディのプロダクトマーケティングのトップ、Fermin Soneira氏はコメントした。
途中で充電を要する長距離ドライブは通常の充電と特に変わりはない。充電のタイミングなどのプランは運転を始める前にmyAudiアプリを通じて、また実際に運転を始めるときに車から直接することができる。いずれも、目的地とルートを検索すると同時に必要な充電ステーションも考慮する。ナビでは充電に基づく航続可能距離だけでなく、充電する際の寄り道や充電時間も考慮される。
アウディe-tronはEU圏内の直流(DC)充電ステーションだけでなく、交流(AC)充電ステーションにも対応している。充電プランは常に最新バージョンが表示されるようになっており、充電残量や充電残り時間などを表示するようになっている。ユーザーは必要に応じて、充電が完了したらアプリで通知を受けられるようにもすることができる。
2019年から、アウディのユーザーはより快適に充電することができる。同年から、プラグ&チャージサービスが開始されるからだ。これによってアウディe-tronは最新の暗号化手順を踏み、認証されればカードなしで充電サービスが受けられる。2019年中旬以降からラインオフされるアウディe-tronにはすべて同サービスが適応され、個人的なサービス利用のためのパスワード入力などの手順がいらなくなる。
長距離の車旅行などでは、より早く充電し無駄時間をなくすことが重要になってくる。だからこそ、フォルクスワーゲングループはアウディとポルシェ、BMWグループ、ダイムラーAGおよびフォード社と協力して合同ベンチャー企業イオニティを立ち上げたのだ。
アウディe-tronはイオニティの高出力150kWのDC充電が可能となった最初のモデルであり、わずか30分程度で充電が完了する。e-tronの充電サービスはイオニティ社の急速充電サービスも兼ねており、2020年には400の充電ステーションで急速充電のサービスを受けることができるようになる。今後、ほかのプロバイダーも徐々に参入することで、長距離ドライブなどでの充電の確保がより簡単になるだろう。
アウディは自宅のガレージでも充電できる様々なソリューションを提供する。スタンダードのコンパクトモバイル充電システムは家庭用のAC230Vコンセントや400V三層コンセントで使用できる。2019年中に発売されるオプションの充電システムを使用すると倍の22kW出力で充電できるようになる。
家庭での電力マネジメントシステムとリンクすると電気代が比較的安い時に車を充電したり、家庭用太陽光パネルがあれば日中にそこからの電力を使用するなど、よりインテリジェントな機能を利用することが可能となる。一部の地域では地元の電力会社と提携してよりクリーンなエネルギーを選択することができる。
アウディe-tronを購入したカスタマーはアウディのホームページ上のアウディモビリティチェックページにて自宅ガレージで利用可能なサービス一覧を確認できる。これにより、自宅の電気系統がe-tronの充電に適合しているか診断をうけられる。ホームチェックは他にも様々なインフォメーションを利用でき、一部地域では地元のアウディディーラーと連携して自宅付近の電気業者を探して自宅の充電機能を診断したり、必要な工事も申し込むことができる。