このMクラスの成功によって、メルセデス・ベンツはプレミアムSUVのラインナップを強化し、「GL」に「S」「E」「C」をそれぞれ組み合わせた「GLS」「GLE」「GLC」という分かりやすいネーミングでSUVモデルを展開してきた。
GLEは、Eクラスに準じたミドルサイズのSUVモデルである。
新型GLEには、最新のテクノロジーがフル投入されている。新たな48Vテクノロジーによって4つのサスペンションを個別に制御する「Eアクティブ・ボディ・コントロール」をオプション設定として初搭載。これは、ステレオカメラや各種センサーでコーナリングや路面の状態をスキャンし、横Gや不快な振動を制御するほか、加速や減速、コーナリング時に発生するピッチングやロールを抑え、パッセンジャーに快適な乗り心地を約束するもの。
エクステリアは現行モデルを正常進化させつつ無駄なプレスラインを省いた新世代のデザインとなり、クラス最高のCd値0.29を実現。新型GLEのホイールベースは現行モデルに対して80mm延長されており(現行の2915mmに対し、新型が2995mm)、さらに2列目シートが電動で可動することで、オプション設定となる3列シートへの乗降性が高く、使い勝手も飛躍的に向上している。
コクピットのデザインも次世代のテクノロジーを満載している。乗員とクルマを結ぶ次世代のインフォテインメントシステム「MBUX」を標準装備し、頭上に装着されたカメラでドライバーのジェスチャーを認識し、12.3インチの高解像度のディスプレイに映し出されるメッセージでクルマとコミュニケーションする。
また、新たな運転支援システムとして「アクティブ・テールバック・アシスト」を搭載。渋滞の列を見つけると自働的に減速し、0〜60km/hまでの速度域で前車への追従を開始する。このほか、車道を横切って旋回するときに危険な状態であると判断すると自動でブレーキをかける新しいシステムも搭載する模様だ。
新型GLEに搭載される「4マティック」(4輪駆動システム)は、トルク・オンデマンドで作動し、前輪と後輪のトルク配分を0〜100%で可変する。これは6気筒および8気筒、プラグイン・ハイブリッドモデルに用意されるもので、さらにオプション設定となる「オフロードパッケージ」を装着すると、4つのタイヤのトルクを可変し、砂地やぬかるみなど悪路で抜群の走破性能を発揮する。この4輪のトルク可変システムは、世界初のテクノロジーだという。
同社のプレミアムSUVは、「GLS」「GLE」「GLC」に、「GLA」、「GLCクーペ」「GLEクーペ」を加え、新型としてデビューしたばかりの「Gクラス」を含めると7車種におよぶラインナップを展開している。メルセデス・ベンツのSUVモデルは世界中で500万台を販売してきたが、この新型GLEの投入によって、その数字が大きく加速するのは間違いない。