三代目となる新型CLSの魅力は3つある。ひとつ目は、“Sensual Purity 2.0”と呼ばれる次世代のメルセデス・ベンツデザインの採用。ふたつ目はISGを搭載した新世代パワーユニットの投入、そして3つ目がSクラス譲りの最新安全運転支援システムを搭載している点である。
日本で発売されたばかりの新型CLSは、ふたつのモデルをラインナップする。日本市場に導入されたのは、CLS220dスポーツ(以下、CLS220d)とCLS450 4MATIC スポーツ(以下、CLS450)で、現時点でAMGモデルはラインナップされていない。ちなみに、先代モデルまでは4名乗りだったが、新型CLSは5名乗りとなっている点は大きなトピックと言えるだろう。
新型CLSのキャラクターにピッタリと合っている「CLS450」
いよいよ今回試乗する新型CLSと対面した。まず正面から見ると“シャークノーズ”と呼ばれるサメのような大胆な造形に目を奪われるが、ボディには無駄なプレスラインを廃したクリーンな造形が採用され、光りの陰影で色々な表情を見せることが分かる。実車を目の前にすると、なかなか大きいボディであると感じた。
今回の試乗コースは、東京都内から箱根に向けて走り、箱根で車両を入れ替えて再び東京に戻るルートである。高速道路が7割、一般道が3割。往路がCLS220d、復路がCLS450だ。
まずはCLS220dで箱根に向かった。新型CLSの雰囲気を感じながらゆっくりと都内をクルージングすると、かつて取材で長距離をともにした新型Sクラスとの違いを感じた。懐の深い、なんとも気持ちの良い乗り心地の良いSクラスに対し、CLS220dは全体的に硬質な乗り心地であると思った。ダイナミックセレクトが「Sport」モードだったため、標準設定の「Comfort」に切り換えた。しかし、それでもやはり硬質感が残っているように感じた。
SPECIFICATIONS
メルセデス・ベンツCLS220d ■ボディサイズ:全長5000×全幅1895×全高1430mm ホイールベース:2940mm ■車両重量:1820kg ■エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ 総排気量:1998cc 最高出力:143kW(194ps)/3800rpm 最大トルク:400Nm/1600〜2800rpm ■トランスミッション:9速AT ■駆動方式:RWD ■環境性能:燃料消費率18.6km/ℓ ■車両本体価格:799万円
SPECIFICATIONS
メルセデス・ベンツCLS450 ■ボディサイズ:全長5000×全幅1895×全高1430mm ホイールベース:2940mm ■車両重量:1950kg ■エンジン:直列6気筒DOHCターボ 総排気量:2996cc 最高出力:270kW(367ps)/5500〜6100rpm 最大トルク:500Nm/1600〜4000rpm ■トランスミッション:9速AT ■駆動方式:AWD ■環境性能:燃料消費率11.9km/ℓ ■車両本体価格:1038万円