これらの特性が評価され、DSA760は2016年4月、舶用エンジンの国内最大手ライセンサーであるジャパンエンジンコーポレーション社から、船舶用エンジン排気弁棒素材として実用化認定を受けている。
DSA760は、高強度で耐摩耗性に優れるマルテンサイト系ステンレス鋼と同等レベルの硬度を有し、かつ非磁性であることから、シャフトやボルト、軸受部品に適用が可能。更に、耐熱性に優れるニッケル基合金と同様に、金属間化合物で強化しているため、比較的高温まで硬度を保つことが可能であり、耐酸化性や耐高温腐食性にも優れることから、エンジン排気系やガスタービン周辺の耐熱部品としても広く適用が可能だ。
大同特殊鋼は、棒線材の小型部材用素材及び各種肉盛用粉末に加え、今回、実用化したような大型鍛造品の製造技術を有しており、今後、大型部材を含めた幅広い分野での適用が期待される。
2016年6月に当社渋川工場では、世界最大級の25t真空誘導炉が本格稼働しており、生産能力が拡大したことで、小型部材から大型部材まで幅広い需要量拡大に対応できる体制が整っております。