シリンダー配列 V型6気筒
排気量 2894cc
内径×行程 84.5mm×86.0mm
圧縮比 10.0
最高出力 331kW/5700-6700rpm
最大トルク 600Nm/1900-5000rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI
VVT/VVL In/×
1999年に登場したアウディRS4用の2.7ℓV6は当時としては画期的な280kWの出力を発生した。その系譜を受け継ぐハイパワーユニットは、既存の3.0ℓV6のストロークを短縮して2.9ℓ化。V8とモジュラー化が図れる90度のバンク角は、クランクピンオフセットを小さくできると同時に、バンク間のスペースが60度より大きく採れる。
これまでの多くの90度V6はここに吸気系ユニットを配置していたが、昨今の欧州V6ターボは逆に排気系をバンク間配置とし、排気熱を高いまま導いてターボの効率を上げる。クランクケースはA l - S i合金の砂型鋳造。ディープスカート構造でクランクメインベアリング径は3.0ℓから2㎜拡大して高出力に対応する。アウディ独自のVVT&L・AVSによってバルブリフトは2段階に設定され、低負荷時は吸気バルブ早閉じのミラーサイクルを実施。負荷が高くなるとリフトは6㎜から10㎜へ、開弁時間もクランク角130度から200度に増やしてオーバーラップによる掃気を促進する。ブロックとヘッドの冷却経路は独立しており、早期暖機と大出力発揮時の冷却を両立させている。
ふたつのターボチャージャーは、シリンダーバンクの中央に配置されている。デュアルブランチシステムを通して、取り込んだ空気をそれぞれのターボチャージャー及び燃焼室へ送る。