パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、ファンアウト・ウエハレベルパッケージ(FOWLP ※1)や、パネルレベルパッケージング(PLP ※2)に対応した顆粒状半導体封止材を製品化し、2018年9月からサンプル対応を開始する。ウェアラブル、モバイルなど携帯機器向け最先端半導体パッケージの生産性向上、製造コストの削減に貢献する。

 半導体パッケージの高機能化、小型薄型化を背景にFOWLPが注目されている。また、半導体実装工程のコスト低減のため、半導体パッケージの取り数の増大を図ることができるPLPが提案されている。こうした半導体パッケージの封止材には、大面積ウエハやパネルを反りなく、均一に封止できることや、各種部材との親和性に優れることが求められる。パナソニックでは今回、これらの要望に対応する顆粒状半導体封止材を製品化した。




 パナソニックの半導体封止材は封止厚み200μm以下の薄型の封止に適したシート状タイプや、従来の液状タイプを品揃えしており、今回製品化する顆粒状タイプと合わせ、半導体パッケージの形態、工法に合わせたソリューションとして提供していく。




■ 顆粒状半導体封止材の特長


1. 低反りと高い流動性の両立で、半導体パッケージの生産性向上に貢献


2. 回路形成に必要な絶縁性ポリイミドとの親和性に優れ、さまざまな生産工法に対応可能




■ 用途


ウェアラブル、モバイルなど携帯機器でのアプリケーションプロセッサ用やパワーマネジメントICなどの最先端半導体パッケージ(FOWLP、PLP、FOSiP ※3、WLCSP ※4など)




■ 備考


2018年9月5日(水)~7日(金)までTaipei Nangang Exhibition Centerで開催されるSemicon Taiwan 2018に本製品を出品




■ 特長の詳細説明


1. 低反りと高い流動性の両立で、半導体パッケージの生産性向上に貢献


サイズの大きな大判ウエハやパネルは、封止材との成形後に、反りやねじれが生じると次工程での作業性に影響するため、反りの低減が求められる。パナソニック独自の低収縮かつ低応力な材料の技術開発により、封止材の流動性を損なうことなく、低反りを実現することで、半導体パッケージの生産性向上に貢献する。




2. 回路形成に必要な絶縁性ポリイミドとの親和性に優れ、さまざまな生産工法に対応可能


高精度な回路形成の実現には、絶縁性ポリイミドと封止材の親和性が高いことが求められる。パナソニック独自の樹脂設計技術により、ポリイミドとの親和性が高く、チップラスト工法 ※5に加え、チップファースト工法 ※6でも安定生産が可能となるため、顧客の生産方式の選択自由度が向上する。




■ 販売地域:グローバル




■ 基本仕様と適用サイズ、推奨封止方法


供給形状:顆粒状


品番:X851Cシリーズ、X851Dシリーズ


適用パッケージ:FOWLP、FOSiP、WLCSP、PLPなど


推奨対応サイズ:直径300mmウエハ、300x300mm以上パネル


適用封止厚み:200~1000μm


封止方式:圧縮成形


推奨成形温度:130~175℃


対応生産方式例:チップファースト工法(X851Cシリーズ)、チップラスト工法(X851Dシリーズ)

※1:ファンアウト・ウエハレベルパッケージ(FOWLP)


ICチップのサイズより大きなパッケージサイズを形成できるパッケージ形態のひとつ。


※2:パネルレベルパッケージング(PLP)


多数のチップを薄型で四角形の大判パネルに並べ一括成型するパッケージ製造工法。一般的には300mm角より大きい大判で成形され、大量かつ高効率生産の工法として注目されている。


※3:ファンアウト・システムインパッケージ(FOSiP)


FOWLPのうち、1パッケージ内に複数のICチップを含むパッケージ。


※4:ウエハレベルチップスケールパッケージ(WLCSP)


従来からあるパッケージ形態の一つで、ICチップとパッケージの外形が全く同じサイズのパッケージ。


※5:チップラスト工法


FOWLPの製造工法で、配線層を先に形成し、その後にICチップを封止する工法。


※6:チップファースト工法


FOWLPの製造工法で、ICチップを先に封止し、その後、配線層を形成する工法。
情報提供元: MotorFan
記事名:「 パナソニック:FOWLP/PLP対応の顆粒状半導体封止材を製品化