大事なポイントは、この4Lへの切り替えは停車中のみ可能で、ギヤをニュートラルにしてから、ということ。AT車でも同様で、P(パーキング)ではなくNにしてから操作する。ニュートラルで操作しないと大きな異音が出たり、きちんと4Lに入らないから注意したい。誤動作を防ぐため、4Hから4Lに入れる時はレバーを押し下げながらでないと4Lに入らないようになっている。
先代ジムニーはモデルライフ途中からこのトランスファー切り替え操作がスイッチとなっていた。だがプロの現場から「慣れれば目視しなくても確実に操作できるレバー式がいい」との声が挙がったため、新型ではレバー式に戻ったという。この4Lは走破性を高めるだけでなく、不整地でスタックした他車を引っ張り上げるときにも活躍する。その際は最もギヤ比が低い後退で行うのが基本だ。
ちなみにジムニーは、2H時は前輪ハブとドライブシャフトの締結をフリーにし、抵抗を低減するメカを装備する。昔のジムニーではこのハブの切り替えが手動だったので、4WDにするときはトランスファー操作後、前輪ハブのダイヤルを人が操作しなければならなかった。しかしその後、エンジンの負圧を利用して自動で切り替える「エアロッキングハブ」が採用され、いちいちクルマの外に出る必要はなくなっている。
新型ジムニーの前輪をよく見ると、中央の部品が出っ張っている。ここにエアロッキングハブが内蔵されているのだ。後輪と見比べるとすぐに違いがわかるだろう。ハブの締結はエンジンの負圧を使うので、エンジン停止中は作動しない。またトランスファーレバーの操作からハブ作動まで数秒かかり、この間エアコンを使用していても風が止まるが、故障ではないのでご安心を。気を付けて聞いているとエアロッキングハブの作動音が聞こえるのも、ジムニー乗りなら知っておきたいポイントだ。
以上、いろいろと説明してきたが、大事なポイントは
●舗装路での走行は基本的に2WD
●2H-4H切り替えは走行中でも可能
●4Lへは停車して“ニュートラルで”行なう
の3つ。他のクルマではなかなか見掛けないトランスファーレバーを的確に操作できれば、ジムニーへの信頼感がより高まるだろう。