ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの価格差は同じグレード(たとえばグランシックだと)で20万円ディーゼルの方が高い。
ガソリンとディーゼルの特性上、出力はガソリンが、トルクはディーゼルが勝る。1.6ℓの直4ガソリンターボは、PSAとBMWが共同開発(主に開発はBMWが担当。PSAは購買で力を発揮したと言われている)したコードネーム『Prince』エンジンだ。DS7クロスバックが積むエンジンは、過給圧を上げた225psの仕様だ。
一方のディーゼルは、2.0ℓ直4ディーゼルターボで、最大トルクは400Nmと大トルクが魅力だ。
長距離を走る機会が多いユーザーはディーゼルを選ぶのがセオリーだが、ディーゼルには、「音と振動」という弱点がある。圧縮比が高く、高圧で燃料を噴くディーゼルにとっては、どうしても避けられないハードルだ。
1.6ℓ直4ガソリン直噴ターボ
PureTECH225
形式:直列4気筒DOHCターボ
型式:PureTECH225
排気量:1598cc
ボア×ストローク:77.0×85.8mm
圧縮比:10.2
最高出力:225ps(165kW)/5500rpm
最大トルク:300Nm/1900rpm
燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
2.0ℓ直4ディーゼルターボ
2.0Blue-HDi
形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
型式:2.0Blue-HDi
排気量:1997cc
ボア×ストローク:85.0×88.0mm
圧縮比:16.7
最高出力:177ps(130kW)/3750rpm
最大トルク:400Nm/2000pm
燃料供給:コモンレール式筒内燃料直接噴射(DI)
今回、試乗会でiPhoneのデジタル騒音計を使って計測してみた。
計測の条件は、エンジンのオフ、エアコンの風量ゼロの状態で、センターコンソール上にiPhone7を置いて、計測開始。そこからイグニッションをONにしてエンジン始動。20秒間の音を計測した。数回計測した平均値ではないで、参考程度に見てほしい。
計測結果がこちら。
やはり、平均値でディーゼルの方が3dBほど室内騒音でベルが高い。3dBの違いは、誰でもわかるほどの差だ。とはいえ、DS7クロスバックのディーゼルがことさらうるさいか、といえば、それはノーだ。けっしてうるさくない。車両を停止しての計測(つまり、ガレージでのエンジン始動時のようなシチュエーション)だから、走り出してしまえば、ロードノイズや風切り音の方が支配的になる。
ちなみに、マイカーであるBMW320i(ガソリン・2013年モデル)で同じ計測をしたら、ガソリンにもかかわらずDS7クロスバックのディーゼルより騒音レベルが高かった……。というわけで、新型DS7クロスバックのディーゼルは充分に静かだったのである。