デビューしたばかりのDS7 CROSSBACKのパワートレーンは、1.6ℓ直4ガソリンターボと2.0ℓ直4ディーゼルターボの2種類のエンジンとアイシン・エィ・ダブリュ製8速ATを組み合わせる。ガソリンとディーゼル、それぞれに得手不得手があるが、ここでは「音」だけ考えてみよう。

 DS7クロスバック、エンジンは1.6ℓ直4直噴ターボと2.0ℓ直4ディーゼルターボの2種類がある。ともに組み合わせるトランスミッションはアイシン・エィ・ダブリュ製8速ATだ。


 ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの価格差は同じグレード(たとえばグランシックだと)で20万円ディーゼルの方が高い。


 ガソリンとディーゼルの特性上、出力はガソリンが、トルクはディーゼルが勝る。1.6ℓの直4ガソリンターボは、PSAとBMWが共同開発(主に開発はBMWが担当。PSAは購買で力を発揮したと言われている)したコードネーム『Prince』エンジンだ。DS7クロスバックが積むエンジンは、過給圧を上げた225psの仕様だ。


 一方のディーゼルは、2.0ℓ直4ディーゼルターボで、最大トルクは400Nmと大トルクが魅力だ。


 長距離を走る機会が多いユーザーはディーゼルを選ぶのがセオリーだが、ディーゼルには、「音と振動」という弱点がある。圧縮比が高く、高圧で燃料を噴くディーゼルにとっては、どうしても避けられないハードルだ。

ガソリンエンジンのPureTECH225のエンジンカバーを外したところ

エンジンカバーがあるとこう見える
エンジンカバーの裏は、こうなっている。ガソリン直噴エンジンの場合は、直噴インジェクターの噴射音対策が必要だからだ。


1.6ℓ直4ガソリン直噴ターボ


PureTECH225


形式:直列4気筒DOHCターボ


型式:PureTECH225


排気量:1598cc


ボア×ストローク:77.0×85.8mm


圧縮比:10.2


最高出力:225ps(165kW)/5500rpm


最大トルク:300Nm/1900rpm


燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)

2.0ℓ直4ディーゼルエンジンの2.0Blue-HDi。インジェクターはデルファイ製。こちらがカバーを外したところ。

カバーが付くとこう見える。
ディーゼルのエンジンカバーは、ガソリンのそれより、明らかにコストがかかっている。


2.0ℓ直4ディーゼルターボ


2.0Blue-HDi


形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ


型式:2.0Blue-HDi


排気量:1997cc


ボア×ストローク:85.0×88.0mm


圧縮比:16.7


最高出力:177ps(130kW)/3750rpm


最大トルク:400Nm/2000pm


燃料供給:コモンレール式筒内燃料直接噴射(DI)

ガソリンエンジンの計測値
ディーゼルエンジンの計測値


 今回、試乗会でiPhoneのデジタル騒音計を使って計測してみた。


 計測の条件は、エンジンのオフ、エアコンの風量ゼロの状態で、センターコンソール上にiPhone7を置いて、計測開始。そこからイグニッションをONにしてエンジン始動。20秒間の音を計測した。数回計測した平均値ではないで、参考程度に見てほしい。




 計測結果がこちら。


 やはり、平均値でディーゼルの方が3dBほど室内騒音でベルが高い。3dBの違いは、誰でもわかるほどの差だ。とはいえ、DS7クロスバックのディーゼルがことさらうるさいか、といえば、それはノーだ。けっしてうるさくない。車両を停止しての計測(つまり、ガレージでのエンジン始動時のようなシチュエーション)だから、走り出してしまえば、ロードノイズや風切り音の方が支配的になる。


 ちなみに、マイカーであるBMW320i(ガソリン・2013年モデル)で同じ計測をしたら、ガソリンにもかかわらずDS7クロスバックのディーゼルより騒音レベルが高かった……。というわけで、新型DS7クロスバックのディーゼルは充分に静かだったのである。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ディーゼルとガソリン やっぱりディーゼルの方がうるさいか? DS7クロスバックで計測してみた