REPORT◎吉田拓生(YOSHIDA Takuo)
PHOTO◎篠原晃一(SHINOHARA Koichi)
ワイドなGTSボディと4駆システムを組み合わせたカレラ4GTS。991型になってエアロダイナミクス性能が上がり、フロントの接地感が高まっているので、日常使用ではあまりカレラ4のメリットを感じることはないが、今回ウエットのワインディングなどでは明らかなアドバンテージがあった。
タイトコーナーからの立ち上がりで早めに右足をスロットルに置くときれいにノーズが切れ込んでくれて安定感が増す。ただドライコンディションでは4駆システムによる+50kgが思いのほかキレの良さを削いでいる感じで、結果としてワインディングでハンドリングの妙を楽しむより高速道路でエンジンパワー開放を第一義とするGT的な性格を帯びている。
オプションで装備されていたPCCB(ポルシェセラミックコンポジットブレーキ)は低温からしっかり効くが初期制動のタッチが唐突なので、流して走るようなシーンでギクシャクしてしまう。これは本気でトバす人のための装備なのである。
※本記事は『GENROQ』2018年7月号の記事を転載したものです。
ポルシェ911カレラ4GTS
■ボディサイズ:全長4528×全幅1852×全高1284mm ホイールベース:2450mm ■車両重量(EU):1590kg ■エンジン:水平対向6気筒DOHCターボ 圧縮比:10:1 総排気量:2981cc 最高出力:331kW(450ps)/6500rpm 最大トルク:550Nm(56.1kgm)/2150〜5000rpm ■トランスミッション:7速DCT ■駆動方式:AWD ■サスペンション形式:Fマクファーソン式ストラット Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ(リム幅):F245/35ZR20(9J)R305/30ZR20(12J) ■パフォーマンス 最高速度:308km/h 0→100km/h加速:3.6秒 ■環境性能(EU複合モード) 燃料消費率8.5ℓ/100km CO2排出量:192g/km ■車両本体価格:1880万円