REPORT◎渡辺敏史(WATANABE Toshifumi)
PHOTO◎小林邦寿(KOBAYASHI Kunihisa)
6代目カマロは初期からの開発計画に基づいて、最新世代のアルファプラットフォームを採用している。つまりキャデラックATSやCTSと同じく、アルミ材や超ハイテン材を最適配置したハイブリッドアーキテクチャーが奢られたわけだ。その結果、新型カマロは先代に対してホイールベースも含む車寸が若干小さくなり、大幅な軽量化を果たしている。GMいわく、数値的には最大で90kg以上軽くなった一方で、28%以上の剛性向上が果たしているという。
この軽さを活かす形で、新型カマロのベースモデルに搭載されるエンジンは従来の3.6ℓ V6ユニットから2.0L直4直噴ターボに、組み合わせられるトランスミッションも全グレード8速ATへと改められた。2.0ℓ直4ユニットの最高出力は275ps、最大トルクは400Nmをマークする。クーペでは1570kg、オープンでも1670kgとCTSより100kg以上軽く仕上がっていることを考えれば、その動力性能に不安はない。
そして伝統のLT1を名乗る6.2ℓ V8ユニットは453psの最高出力をもって0→100km/h加速4.5秒、最高速250km/hとスポーツカーとしても一線級の魅力を備えている。
ドライブモードをスポーツ&トラックの側にセットした際のパフォーマンスは、さすがにコルベットのように濃密な一体感が味わえるわけではない。あちらはシャシー構造もジオメトリーも重心設定も、ドライバーとタイヤの位置関係も異なるのだから比べるのも酷だろう。
だが、少なくとも先代に対すれば遥かに応答性は素早く、ブレーキの制動力や前後バランスも充分に頼れるものとなっている。コーナリング最中のロードホールディングに関しては中高速域で凹凸超えでの上下動が大きく、ややラインがズレてしまうところが気になったが、修正は充分に効くシャシーの確度は持ち合わせているから、そこを織り込んで対話しながらワインディングを走り込むのも楽しいひと時になるだろう。
SPECIFICATIONS
シボレー・カマロSS
■ボディサイズ:全長4780×全幅1900×全高1340㎜ ホイールベース:2810㎜ ■車両重量:1710㎏ ■エンジン:V型8気筒OHV 総排気量:6153cc 最高出力:333kW(453ps)/5700rpm 最大トルク:617Nm(62.9㎏m)/4600rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:RWD ■サスペンション形式:Fマクファーソンストラット Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■車両本体価格:645万8400円
SPECIFICATIONS
シボレー・カマロ コンバーチブル
■ボディサイズ:全長4780×全幅1900×全高1350㎜ ホイールベース:2810㎜ ■車両重量:1670㎏ ■エンジン:直列4気筒DOHCターボ 総排気量:1998cc 最高出力:202kW(275ps)/5500rpm 最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/3000〜4000rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:RWD ■サスペンション形式:Fマクファーソンストラット Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■車両本体価格:602万6400円