作り方としては、平板で使っているインク材料はクラックが入ってしまうので、ポリピロールという伸びるインク(導電性ポリマーの一種)をポリカーボネート樹脂の平板に印刷して成形、その上に特殊な触媒をかけてめっきを載せると、電極パターンがそのまま成形できる。フィルムインサートや印モールド成形も可能。
展示されていた革調立体タッチセンサーの例では、表層の透過性パネルとしてアクリルにTOM成形(三次元加飾成形)を用いて革シートを打ちを作成する。これにより、うしろから光を当てると映像がしっかり投影される仕組みだ。機能としては従来のフラットパネルともちろん同等、電源が落ちたときにきれいにブラックアウトする、などという芸当が可能になる。
昨今のインフォテイメント画面は拡大の一途。巨大なフラットパネルは三次元形状のダッシュボード意匠とは連続性を持たせにくく、そこだけズバッと切り落としたような形状になってしまう。この技術を用いれば、ゆくゆくは操作系が一枚の表皮構造に収まるようなデザインも実現するかもしれない。