●TEXT&PHOTO:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro)
出展されていたスーパーチャージャーは、ボルボT6&T8に搭載されている「R410」と、GM社と共同開発してコルベットZR1に搭載されている「R2650」の2点。同社製スーパーチャージャーは、モデル名の数字が1回転あたりの排気量を示す。後者は2,650ccを誇ることを示しており、770馬力を発揮するモンスターの原動力となっている。
さて、当サイトが注目したのは「R410」。日本イートンおよびマツダからの公式発表こそされていないが、本誌でご紹介した通り、マツダのSKYACTIV(スカイアクティブ)-Xエンジンに採用されている。
展示されていたのは「R410」の標準的な仕様だが、現在も着々と進化している。例えば、写真のモデルではハウジングに垂直方向に5本のリブが見られるが、市販車に搭載されているモデルのハウジングには、このリブは存在しない。加工しやすくするためのクランピングパッド(小さく突き出た突起)のみが残されている。解析ツールを駆使することで求められる強度を確保しながら、こうした軽量化が進められている。また、サプライヤーを巻き込んで開発することで、製品の作りやすさにも配慮。低コスト化も進められているという。
今のところ市場におけるマジョリティはターボであるが、ご存知の通り、ターボはエンジン効率が上がると排ガスエネルギーが減ってしまう。一方、リーンバーンやHCCIといった今後の開発が期待される新しいエンジン技術には、空気を押し込むデバイスが必要である。今後スーパーチャージャーに対するニーズが増えていく可能性は少なくないのだ。