ヴァレオは、人とくるまのテクノロジー展で、レーザースキャナーSCALAの第二世代を世界初公開した。自動運転技術の進化で需要が高まることが予想されるレーザースキャナーで、ヴァレオはすでにSCALAの第一世代を市販化している。第二世代を2020年に市場投入することでこの分野での優位を保つ構えである。

2020年に登場予定の第二世代レーザースキャナー

ヴァレオは、ソナー、カメラ、レーダー、LiDARと多彩なセンサーラインアップを持っている。

市販車で初めてレーザースキャナーを搭載したのがアウディA8。このレーザースキャナーが第一世代のSCALAである。

 第二世代のSCALA 2は、第一世代と比べて垂直方向の視野角が3倍広くなったのが特徴だ。具体的には3.2度が10度へ広がった。左右の視野角は140度と第一世代と変わらないが、垂直方向の視野角が拡大したことで、路面標示の読み取りや坂道、上下方向に制限のある駐車場などにも対応できるようになる。




 自動運転に向けてセンサーの進化が進むが、情報量が増えればセンサーもそれを処理するECUも熱を持つことになる。熱にどう対応するかも今後の課題だ。SCALAは第一世代、第二世代ともにハウジングはアルミにして熱対策をしている。

これが実際のSCALA 2の画像。会場を歩く人の姿勢、姿形までわかる。

シーメンスとの協業による高出力電動ドライブシステム

高出力電動ドライブシステム。展示品は300kW版だが、70〜300kWまでの仕様をラインアップする。バッテリー電圧は400V・800Vを準備している。モーター、インバーター、減速機構ともに共有の水冷式。


 自動運転と並んで大きな技術テーマである電動化。ヴァレオは、シーメンスとの合弁であるヴァレオシーメンスeAutomotiveが開発した高出力電動ドライブシステムも展示した。これは、モーターとインバーター、減速機を組み込んだユニットで出力300kW(400V、800Vに対応)。プレミアムクラスのクルマとスポーツカー向けだ。

EV用水冷バッテリークーラー

 EV用水冷バッテリークーラーは、以前発表した角形リチウムイオン電池用のタイプに加えて今回は円筒型のリチウムイオン電池に対応したものを展示した。これは円筒型リチウムイオン電池のセル間のスペースを活用して張ってリークラーをパッケージングしたのもので電池セルの表面へ波形のクーラーを密着させることで接触面積を最大化して冷却効率を向上させている。




冷却水は、下から入れて上から出す構造で、波形のクーラーの内部はマルチポートチューブを呼ばれる水路が設けられている。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ヴァレオ、第二世代に進化したレーザースキャナー、SCALA Gen.2を世界初公開![人とくるまのテクノロジー展2018横浜]