今回受賞した「アクアテック塗装」は、水性塗装に求められる機能のひとつである乾燥に関して追求が行なわれ、塗装吹き付けブース内に供給する空気の温湿度を、冷却機を使わずに加湿器、加温機のみで制御することでエネルギーを削減。一般的な水性塗装に比べCO2排出量を34%削減することに成功した。また、水の蒸発速度を高精度にコントロールすることにより、塗装品質の向上も果たしている。
「アクアテック塗装」は塗装の機能と品質を向上させた上で、世界トップレベルの環境性能と経済性を同時に実現したことなどが評価された。
・受賞対象
揮発性有機化合物とCO2排出物を削減する塗装技術の発明(特許第5493814号)
・受賞者
和泉昭雄 マツダ株式会社 車両技術部
藤井嘉治 マツダ株式会社 車両技術部
「アクアテック塗装」は塗装ブースの空調システムを改良し、塗料の水分を効率的に蒸発させるシステムを導入したほか、高機能塗料の開発により、これまで中塗り塗装が担っていた発色性や耐ピッチング性などのさまざまな機能を上塗り塗装に移管することで工程を集約。マツダが全工場に導入していた従来の「スリー・ウェット・オン塗装」で実現した世界最高基準のCO2排出量を維持したまま、VOCの排出量を大幅に削減した。