スズキ株式会社は軽トラックのキャビンを拡大した「スーパーキャリイ」を、5月16日から発売した。同時に「キャリイ」全体を一部改良し、誤発進抑制機能と後方誤発進抑制機能を標準装備するなど、安全装備の充実が図られた。

キャビンスペースを拡大し、シートはリクライニングも可能に!

スーパーキャリイ「X」スペリアホワイト
スーパーキャリイ「L」スペリアホワイト


 2018年5月16日、スズキ株式会社(以下スズキ)が年間の販売目標台数を6万5000台とする「キャリイ」シリーズに強力なモデルが追加された。


 キャリイは扱いやすいエンジン、広い荷台、頑丈な車体が好評の軽トラックだが、今回追加された「スーパーキャリイ」は、キャビンスペースを後方に460mm拡大。シートスライド量を増やしリクライニング機能も追加することでゆとりあるドライビングポジンションを取ることができるようになった。もちろん、車内での仮眠や休憩も、キャリイより格段に取りやすくなったと言えるだろう。

運転席で180mm、助手席でも100mmのスライド量を実現。
運転席は最大40°、助手席は最大24°のリクライニングが可能。


 また、全車を頭上空間に余裕をもたせたハイルーフ仕様とし、頭上に荷物を収納できるオーバーヘッドシェルフを装備。また、座席後方には荷物を置くスペースを確保して、車内の収納性を高めている。貴重な工具や衣類、食品、書類などを室内に置くことができるのはありがたい。


 加えて、ラゲッジネットやシートバックコード、ルーフ&ラゲッジバー、ユーティリティフックなど、シートバックスペースを有効活用するためのオプションも数多く設定されている。

シートバックスペースは高さ920mm×横幅1235mm×長さ250mmと十分な空間を確保。
シートバックスペースの運転席側には小物の収納に便利なポケットを設置。


全高はキャリイ比+120mmのハイルーフ仕様で、頭上空間にはオーバーヘッドシェルフを設置。
クラス初の助手席前倒し機構を採用。助手席背面はテーブルになっており、デスク作業や休憩に便利。


 キャビンが拡大すればそれだけ荷台が狭くなるのは仕方のないことだが、拡大したキャビンの下側を抉ることで空間を設け、フロア長に関してはキャリイと同等レベルを実現しているのがポイント。荷台のフロア長は軽トラックナンバーワンを誇るキャリイの2030mmには及ばないまでも、1975mmの長さと、荷台長でも1480mmを確保しており十分な積載性を備えている。

グレードは「L」と「X」の2種類

スーパーキャリイ「X」ガーデニングアクアメタリック

 スーパーキャリイのグレードは「X」と「L」の2種類で、「X」が装備を充実させたグレードとなっている。どちらも2WD(FR)と4WDを設定し、そのそれぞれに5速MT、3速AT、5速AGSを設定している。エンジンは全車R06A型660cc直列3気筒DOHC自然吸気エンジンを搭載している。ボディカラーはいずれのグレードも全5色を用意する。


 価格設定は「L」が97万4160円〜121万680円、「X」が110万2680円〜133万9200円となっている。

スーパーキャリイ「X」ノクターンブルーパール
スーパーキャリイ「X」ブルーイッシュブラックパール3


軽トラック初の機能で安全性能を向上

 スーパーキャリイの発売に合わせ、キャリイ/スーパーキャリイに先進の予防安全装備「スズキ セーフティ サポート」の一部機能を採用。軽トラック初(2018年5月現在/スズキ調べ)の前後方向誤発進発進抑制機能を搭載した。


 車両の前方及び後方に合計4つの超音波センサーを設置し、このセンサーにより障害物を検知して衝突被害を軽減する。キャリイの一部グレード(「KX」、特別仕様車「KCスペシャル」「農繁スペシャル」)には標準装備し、オプション設定での選択も可能(「KCパワステ」「KCエアコン・パワステ」「KC農繁仕様」)となっている。

先行するライバル、ダイハツ「ハイゼット・ジャンボ」

ハイゼットトラック「ジャンボ”SAⅢt”」

 キャビン拡大型の軽トラックはダイハツ「ハイゼット・ジャンボ」が、1983年登場の六代目ハイゼットからラインナップされている。長らくハイゼット・ジャンボが独占する市場であったが、ここに来てスズキがスーパーキャリイで追撃を開始する構図となった。


 果たしてユーザーはどのような反応を見せるのだろうか?

情報提供元: MotorFan
記事名:「 スズキがリクライニングできる軽トラック「スーパーキャリイ」を発売