790 DUKEはそんな激戦区に投入するモデルということで、KTMの力の入れようも半端ない。エンジンはKTM初となるインラインツイン「LC8c」で、総排気量799ccの水冷4ストロークDOHC2バルブの並列2気筒エンジンを新たに採用。最高出力は77kW(105hp)/9,000rpmで、最大トルクは86Nm/8,000rpmとなり、かなりパワフルなエンジンとなっている。「LC8c」の「c」はコンパクトを意味し、クロームモリデブン鋼トレリスフレームにLC8cを搭載した車体の乾燥重量は約169kg! と、かなり軽量に仕上がっている。ちなみにシート高は825mmとなるが、車体自体がスリムなので足つき性は悪くはない。さらに、オプションでローダウンキットの設定も期待できるだろう。
軽量でパワフルなエンジン。かなりジャジャ馬な印象を受けるがご安心を。790 DUKEではもちろん電子制御類も充実しており、ABSやトラクションコントロール、クイックシフターを装備しているため、街中ではマイルドな乗り味で扱いやすいエンジン特性にすることも可能だ。またクラッチにはアンチホッピングクラッチ機構が採用されているため、シフトダウン時に急激なエンジンブレーキが掛かることを抑制している。もちろん、ワインディングではこれらの制御を解除してやれば、790 DUKEの軽快な走りを思う存分楽しむことも可能なのだ。
なお、790 DUKEの横には、この790 DUKEをラリー仕様にしたようなマシンが展示されているが、これは「ADVENTURE R PROTO」で、現時点では詳細は不明となっているが、790 DUKEをベースとしたコンペティションモデルのようだ。当然、今後は790 DUKEに搭載されているLC8cエンジンを使ったアドベンチャーモデルの投入も期待されるところ。このマシンはそれを匂わせる展示なのだろうか。