MC-Workbenchのバージョン5.0の新しいグラフィック・ユーザ・インタフェース(GUI)は、STM32CubeMXのワークフローを活用し、プロジェクトのセットアップ、マイコンのペリフェラル設定、イニシャル・コードの生成を自動で行う。プロジェクトの開発やデバッグを行いながら、制御ループ・パラメータをリアルタイムにモニタし、変更することも可能。
同キットには、最大トルク / 電流制御(MTPA)などの一般的なPMSM制御技術を実現する豊富なアルゴリズムが搭載されており、効率を最大化するとともに負荷状況の変化に対応できる。また、速度範囲を拡大する弱めの磁束制御や、高速での安定性を向上させるフィードフォワード制御も含まれている。そのほか、ロータが回転している時でもスムーズに駆動を開始できる「start-on-the-fly」機能も搭載。これは、エアコンや排煙機などに使用される屋外ファンで必要になることが多い機能だ。
電気的パラメータ(ステータの抵抗(Rs)とインダクタンス(Ls)、モータの電圧定数(Ke))や機械的な摩擦、慣性などを自動検出することで、モータの特性の大部分をすぐに調べることができるMotor Profilerなど、実績のある強力なSDKの機能を利用できる。1シャント、3シャント、または絶縁型電流センサ(ICS)による電流検知、エンコーダやホール・センサを使用するロータ位置検出のほか、センサレス制御など、さまざまなモータ制御技術にも柔軟に対応する。デュアル・モータのアプリケーションにも対応しているこのSDKは、多くのSTM32製品に搭載されている豊富なアナログ機能やモータ制御用のマルチ・タイマを活用できる。
最新のSTM32 PMSM FOC SDKは、 http://www.st.com/x-cube-mcsdk から無償で入手可能。