ライバルはとなるのは、ホンダCBR250RR(80万6760円)とヤマハYZF-R25(61万200 円)。水冷DOHC4バルブ2 気筒エンジンを搭載していると言う意味でもNinjaは三つ巴の戦いの中に参入し、YZFに近い価格設定で勝負を掛けているところがポイントである。Ninja250と言えばこのカテゴリーで長らくベストセラーに輝いていた人気ブランドだけに、強豪各車が登場してきた中での人気No.1奪還に意欲的な姿勢が伺えるわけだ。
さて今回は市街地でのショート試乗だったがNinja250のエキサイティングな乗り味が何とも懐かしく、かつとても生き生きとした気分になれた。その楽しさはバイクに乗る上で侮れない価値があることを再認識させられた。
ボア・ストロークこそいずれの車両もショートストロークタイプ(Ninja250:ボア62.0mm×ストローク41.2mm)だが、今回は新開発された高圧縮比エンジンを搭載。吸排気系やインジェクターが刷新された他、冷却性能や軽量化、メカニズム部分の低フリクション化が徹底されている。削り出しバランサーシャフトの採用で震動対策も万全だ。エキゾーストパイプも太くなり、31psだった最高出力は37ps/1万2500rpm、最大トルクは2.3kgm /1万rpmを発揮する。
ポイントはこのクラスのスーパースポーツバイクとして、十分と思えるパフォーマンスを備えている事。そして大切なのは、そのパフォーマンスを一般公道という身近な場面でも存分に発揮させて楽しめてしむ事ができる点にある。持てるパワーは無理なくフルに楽しめる。その程良さが痛快な乗り味とバイク本来の扱う楽しさをエンジョイさせてくれた。
軽快に吹け上がるエンジンは、フルスロットルを与えるとタコメーターの針が1万3500rpmからのレッドゾーンへとストレス無く飛び込んで行く。発進はクラッチのみの操作でもエンストしない粘り強いトルクが発揮されており扱いやすい。2000rpmを超えればじわじわとトルクを増しシャープに吹き上がる。特に5000~9000rpmあたりで発揮されるエンジン回転の小気味良いフィーリングは実に爽快。
右手の操作には俊敏かつ的確なレスポンスを発揮する。シフトダウンでエンジン回転を合わせる操作も気持ちよく決められた。クイックかつ思い通りに向きを変えていける軽快な操縦性も魅力的だし、強力な効きを発揮できる確かな制動能力も高い。そして何より気に入ったのがピタリと決まるライディングポジション。シートとステップの位置関係が良く、上体を支えやすいおかげで、リラックスしたツーリングや街乗りも楽で、疲労度は少なく感じられた。
125ccクラスでバイクへ入門したビギナーライダーはぜひともこうしたクォーター(250cc)クラスで、もうワンステップを踏んでバイクに慣れ親しんでみてほしい。もちろんベテランライダーの気分を高揚させるスポーツギアとしても良いチョイスとなる。
■ニンジャ250(KRT Edition)主要諸元■
全長×全幅×全高:1,990mm×710mm×1,125mm
軸間距離:1,370mm
最低地上高:145mm
シート高:795mm
キャスター/トレール:24.3°/ 90mm
エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク並列2気筒/DOHC4バルブ
総排気量:248cc
内径×行程/圧縮比:62.0mm×41.2mm/11.6:1
最高出力:27kW(37PS)/12,500rpm
最大トルク:23N・m(2.3kgm)/10,000rpm
始動方式:セルフスターター
点火方式:バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量:2.0L
燃料供給方式:フューエルインジェクション
トランスミッション形式:常噛6段リターン
クラッチ形式:湿式多板
一次減速比/二次減速比:3.068(89/29)/2.857(40/14)
フレーム形式:トレリス
懸架方式:
(前)テレスコピック(インナーチューブ径φ41)
(後)スイングアーム
タイヤサイズ:
(前)110/70-17M/C 54H
(後)140/70-17M/C 66H
ホイールサイズ :
(前)17M/C×MT3.00
(後)17M/C×MT4.00
ブレーキ形式:
(前)シングルディスク 310mm(外径)
(後)シングルディスク 220mm(外径)
ステアリングアングル(左/右):35°/ 35°
車両重量:166kg
燃料タンク容量:14L
乗車定員:2名
最小回転半径:2.5m
本体価格:629,640円(キャンディプラズマブルー)
640,440円(パッションレッド×メタリックフラットスパークブラック)
KRT Edition(640,440円・ライムグリーン×エボニー)