また、パサートTDIの日本導入は2015年の東京モーターショーで発表される予定だったが、その直前にEA189型エンジンの排ガス不正問題が発覚したため急遽中止。その間に競合他社は続々とディーゼル車の日本導入を拡大し、日本における外国メーカー乗用車登録台数の2割超をディーゼルで占めるほど販売台数増加に結びつけていたため、VGJにとってはまさに2年越しの念願といえるだろう。
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搭載されるEA288型・2.0ℓ直4コモンレールディーゼルターボエンジンは、可変式ガイドベーンの採用などにより190ps・400Nmもの高出力・大トルクを備えながら、排ガス後処理システムに低圧EGR、酸化触媒、SCR、DPFを標準装備し、ポスト新長期規制をクリアした。
【EA288型エンジンの詳細は「VWパサートが搭載して導入が決まった新世代2.0TDI(EA288)とはどんなディーゼルエンジンか?」】6速DSG(デュアルクラッチトランスミッション)と組み合わせることで、燃費もJC08モードで20.6km/Lを達成。59Lの燃料タンクによって、単純計算で1200km以上の航続距離を備えていることになる。
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パサートTDIエレガンスライン…4,229,000円
パサートTDIハイライン…4,899,000円
パサートヴァリアントTDIエレガンスライン…4,429,000円
パサートTDIハイライン…5,099,000円
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発売記念式にはこれまでにパサートを2台乗り継ぎ、すでにパサートヴァリアントTDIへの代替を決めた、東京都中野区在住の島津豊さん夫婦を招待。控えめなスタイルとロングツーリング性能の高さ、ベニヤ板も運べる積載性といったパサート本来の万能性に加え、TDIではさらに航続距離が伸び維持費も安くなることが期待できる、といった購買動機を話してくれた。
今後は、酸化触媒をNOx吸蔵触媒に置き換えSCRと組み合わせることで冷間時に効果を発揮しにくいSCRの弱点を補うほか、AdBlue噴射モジュールを排気マニホールドの後にも備える床下SCR触媒(ツイン噴射)を用いることで、NOx排出量を最大40%削減。
さらに、フォルクスワーゲンにおけるバッテリーEV(BEV)の販売シェアを現在の2025年までに25%までに高めながら、内燃機関を搭載する自動車(ICE)においては再生可能燃料CO2ニュートラルな燃料の使用量を拡大していくという今後の展望を明らかにしている。