各社の専門エンジニアリング チームが共同で、NVIDIA DRIVEプラットフォームをベースとする自動運転ソリューションの開発を進める。DRIVEプラットフォームには、世界最高の性能を誇るシステムオンチップであるNVIDIA DRIVE Xavierのほか、NVIDIA DRIVE OS (オペレーティング システム) やDRIVE AV(自動運転車向け)のソフトウェア スタックが搭載される。
開発を目指すソリューションには、最も厳しい安全度水準「ASIL-D」に適合するシステムエンジニアリングやソフトウェアエンジニアリングで培ったContinentalの経験が活かされ、レーダー、カメラ、高解像度 3D Lidarをはじめとする同社の幅広いセンサー技術が組み込まれる予定。
ContinentalのCEOであるエルマー・デゲンハート氏は、次のように述べている。
「未来のクルマは、検知・プランニング・運転代行を司る、走るコンピューターになるでしょう。複雑な自律走行を可能にするには、AIスーパーコンピューターの演算処理能力を最大限活用するほかありません。クラウドから自動車までカバーする、NVIDIAのAI自動運転ソリューションのパフォーマンスと柔軟性があってこそ、当社は新たなレベルの安全性、快適性、パーソナライズ性を未来のクルマで達成できるのです」
NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンスン・フアン氏は、次のように述べている。
「これで、AI自動運転車を開発から大量生産へと移行させるうえで鍵となるすべての要素の準備が整いました。当社の最新のDRIVE Xavierプロセッサ、幅広い NVIDIA DRIVEソフトウェア、そして、テスト、検証、機能上の安全性における「Cloud-to-Car」アプローチと、Continentalの専門知識やグローバルな事業展開を融合させることで、自動運転車を全世界に普及させたいと考えています」
Continentalシステムの頭脳となるNVIDIA DRIVE Xavierは、わずか30ワットの消費電力で30TOPS(毎秒1兆回の演算)を達成するディープラーニング性能を備えている。自動運転車が実行しなければならないタスクに必要な、膨大なデータを処理するには、Xavierのかつてないレベルの性能が欠かせない。それらのタスクには、ディープ ニューラルネットワークを実行して周囲の状況を検知する、環境を認識する、高精細地図上で車両の位置を特定する、他の物体の挙動や位置を予測する、車両力学を計算する、安全な進路を計画することなどが含まれる。
■ オープンなNVIDIA DRIVEプラットフォームによりコラボレーションが可能に
ContinentalとNVIDIAは、幹線道路での周囲 360 度の状況把握や自動車線変更、さらには車の合流機能といった高度な自動運転機能から着手する予定。また、システムには、車両が地図上で自己の位置を特定できるように高精細地図を取り入れるほか、地図の更新機能を搭載する。
高度運転支援システムにおけるContinentalの専門知識によって、多機能カメラ、サラウンド ビュー付き魚眼カメラ、短距離および長距離レーダー センサー、高解像度 3D Lidar技術に加え、支援運転・自動運転向け中央制御装置が統合される。Continental の高度運転支援システムの売上は2016年に12億ユーロを突破し、2020 年には25億ユーロにまで成長すると見込まれている。
IHS Markitのリサーチおよびアナリスト ディレクターであるルカ・デ・アンブロッギ氏は、次のように述べている。
「NVIDIA との協業によって、Continental は高度運転支援システムにおけるリーダーとしての地位を超えて飛躍し、現在の NCAP 要件からレベル 5 に至るまで、幅広い自動運転車向けシステムを提供できるようになるでしょう」