同実験は、車車間通信システムを介し、先行車の加減速制御情報を取得することで車間距離を一定に保つCACC(Cooperative Adaptive Cruise Control:協調型車間距離維持支援システム)技術を使用している。複数のトラック製造者が共同開発したCACCを用いた、異なるトラック製造者が製造したトラックによる後続有人隊列走行の実証実験は世界初の試み。
1月23日から1月25日に新東名高速道路、1月30日から2月1日に北関東自動車道にて実証実験を行った。
【MFTBCの自動運転技術について】
今回実験に参加したのは、2017年5月に発表した新型大型トラック「スーパーグレート」に、車車間通信装置とプロトタイプのECUを搭載した車両。「スーパーグレート」には、ミリ波レーダーにより先行車との車間距離を一定に保つ車間距離保持機能付きクルーズコントロールに加え、自動発進・停止が可能なプロキシミティー・コントロール・アシストを採用している(一部グレードを除く)。
【ダイムラートラック部門の自動運転技術について】
ダイムラーのトラック部門は、2025年に自動運転技術の実用化を目指し、2014年に世界に先駆けて自動運転機能を搭載したコンセプトモデル「Mercedes-Benz Future Truck 2025」を発表した。2015年には車体に搭載されるカメラ及びミリ波レーダー等を用いて周囲の状況を検出し運転操作を行う自動運転技術「ハイウェイ・パイロット」システムをドイツで発表、2016年にはオランダ政府主導の自動運転トラックの隊列走行実験「Europian European Truck Platooning Challenge」に参加し、ドイツとオランダの公道を大型トラック3台による隊列走行実証実験を行った。また、2015年に米国・ネバダ州でフレートライナーブランドの大型トレーラー「Freightliner Inspiration Truck」が世界で初めての自動運転トラックとして公道走行のナンバープレートを取得、アメリカで初めて公道での自動運転トラックの隊列走行を行った。米国の公道での自動運転車の隊列走行実験は世界で初の試み。引き続き、2018年には同国オレゴン州とネバダ州の高速道路にて同トラックを使用した隊列走行実験を計画している。