このハイブリッドシステムは、都市ガスを燃料とし、約900℃の高温で作動するセラミックス製SOFCとMGTの両方で発電するもの。燃料を燃焼させることなく、SOFC内部で都市ガスを改質して水素や一酸化炭素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させることで発電する。さらに、後行程でMGTを使って発電することで燃料を有効活用し、総合効率は65%以上に達する。また、コージェネレーション(熱電併給)の場合には、残りの排熱を蒸気または温水として回収するため、総合効率は73%以上に達するとともに、従来の発電システムに比べて顧客の工場・ビルからのCO2排出量を約47%削減することができ、低炭素社会の実現に貢献する。
MHPSでは、2016年度まで国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業により250kW級の実証に取り組み、国内4ヵ所に実証機を設置して安定稼働を確認。業務・産業用の実用モデルを開発し、昨年夏に販売を開始した。
効率が高く排気がクリーンな分散型電源として、東京駅前で街づくりが進む丸の内エリアにある丸ビルを、省エネ・環境配慮性の側面から支えていくもので、本格運転開始は同ビルの発電機改修工事が完成する2019年2月の予定だ。