2020年に高速道路(新東名)での後続無人での隊列走行を実現するため、2018年度中にCACCによる後続有人隊列走行、来年度に後続無人システム(後続車にも緊急時対応用のドライバーは乗車)の公道実証を開始すべく準備を進めている。高速道路において、複数のトラック製造者が共同開発したCACCを用いた、異なるトラック製造者が製造したトラックによる後続有人隊列走行は世界初。ACAAとはCooperative Adaptive Cruise Control:協調型車間距離維持支援システムのことで、通信で先行車の制御情報を受信し、加減速を自動で行い、車間距離を一定に保つ機能。
2017年には、公道実証に向けた安全を確保する車間距離に関連した事項について検討し、具体的な走行場所や走行方法を確定した走行計画を整備してきた。
今般、これまでの検討を踏まえて、本事業の一環として1月23日から世界初となる国内メーカー4社が開発したトラックによる高速道路における後続有人隊列走行の実証実験を新東名高速道路にて開始する。実証実験では、トラック隊列が周辺走行車両の乗員からどのように認識されるか(被視認性、印象等)、トラック隊列が周辺走行車両の挙動(追い越し等)に及ぼす影響等を確認する。なお、2018年度中には1月30日~2月1日の間、北関東自動車道にて高低差への対応等を確認するための技術実証を実施する予定だ。
我が国のトラック物流事業者には、経営効率の改善や運転者不足への対応、安全性の向上等の観点から隊列走行への期待が大きく、とりわけ運転者不足問題は深刻で、運転者の年齢構成が高齢化する中、今後、業界の存続に関わる問題とも認識されている。特に運転者の確保が難しい長距離幹線(東京-大阪間等)の輸送等を、隊列走行によって省人化する強いニーズがある。
車間距離が短くなることで空気抵抗が減少し、燃費が改善することによる省エネルギー効果や、隊列を形成する前や解除した後に各々のトラックが独立して走行できるという、既存の機械牽引等の手段には無い汎用的な運用を行える等の効果が期待されている。