初代モデルの登場から15年が経過し、円熟を極めたスズキ・スカイウェイブ650LX。他のスクーターとは一線を画すグラマラスなボディがもたらすゆったりとした乗り心地は、長距離移動にこそ真価を発揮する。

スズキ・スカイウェイブ650LX

114万4800円

■■実力分析結果■■


・加速力……………………………7Point


・最高速……………………………7Point


・実用性……………………………8Point


・コストパフォーマンス……8Point

車重をものともしない加速フィールはおみごと

スズキ製スクーターの最高峰に位置するのがスカイウェイブ650LX。


ゴージャスな装備に快適な走りで国内のみならず海外、特に欧米でファンが多い。このスクーター、実車を前にしてみると相当な迫力がある。全体的な質感の高さはリッタークラスのクルーザーのようだが、重さも300㎏弱と超弩級で押し引きにはそれなりの力が必要になる。




けれど一旦走り出すとその印象が一変! 重力がなくなったのかと思うほどスィーと軽やかに加速していく。しかも高回転での伸びが素晴らしく、80㎞/hを超えたあたりからグングンとスピードが乗ってくる。高いところから滑り降りていくような独特な加速感は官能的でクセになりそう。




もちろん速さだけではない。MTシフトやパワーモードは使わず、通常のドライブモードならどっしり構えてゆったりと走ることもできる。このように使い分けができる二面性がこのモデルの魅力だろう。ハンドリングに関しても前後で異なる大径の足周りに加え、ヘビー級な車体も作用して、コーナーリングでバンク角が決まった後の安定感が非常に素晴らしい。まるで車体がその角度でピタリと固定されたように旋回していく。




利便性を追求したスクーターでありながら、走る楽しさの点でも下手なスポーツバイクより高いレベルにあると感じた。最新機は3㎰アップしており、ピークトルクも若干低回転に振っているようでこちらもぜひ味わってみたい。(後藤 武)



後藤 武>>>


オートバイ誌クラブマン元編集長。顔に似合わず繊細な感覚の持ち主で、各車の違いを読み取る。
写真は旧型だが、7月の仕様変更でグリップヒーターのスイッチ(左)が一体化されてスマートに。
落ち着きのある2連式のメーターパネル。液晶部には距離計や燃料計、各種温度表示、時計機能などを集約。


ブレーキはダブルディスクでキャリパーはニッシン製の片押し2ポットをチョイス。ABSで安心感も高い。
左右に分かれたテールレンズ内にウインカー(クリア部分)を集約。グラブバーとバックレストは一体型。


キーに内蔵されたICチップとIDコードによって厳格に管理されるイモビライザーが盗難抑止に効果を発揮。
リヤブレーキのロック/解除用レバーをシート下位置(左側)に装備。デザイン性にも富んでいる。


佐川健太郎‘S IMPRESSION

電動装備が超快適を約束


「“威厳”とはまさにこの車両を示す。電動スクリーンや電動格納ミラー、シート&グリップヒーターなどの豪華装備に加え、クルマに乗っているかのような乗り心地はメガスクーター随一。いかに快適に距離を伸ばすか、というテーマで考え抜かれた哲学を感じる」



佐川健太郎>>>


バイクジャーナリスト、「ライディングアカデミー東京」校長、日本交通心理学会員などいくつもの顔を持つ。愛称はケニー佐川。
Specifications


■全長×全幅×全高 2265×810×1420㎜ ■シート高 760㎜ ■車両重量 277㎏(装)【281㎏(装)】 ■総排気量 638㏄ ■エンジン種類 水冷4スト2気筒DOHC4バルブ


■最高出力 50ps(37kW)【53ps(39kW)】/7000rpm ■最大トルク 6.1㎏m(60N・m)/5000rpm【5.9㎏m(58N・m)/4750rpm】 ■ 燃費No Data ■燃料タンク容量 15ℓ ■ブレーキ (前後)ディスク


■タイヤサイズ (前)120/70R15(後)160/60R14 ※【 】内は2017年発売モデル 


※(乾)は乾燥重量、(装)は装備重量です。※燃費はWMTCモード値です。

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モトチャンプ監修


大量試乗コメント付きスクーターバイヤーズガイド の 2017-2018年版。


スクーターを狙っている人必見の参考書!


「使い勝手リアル解剖」と称して、収納スペースの比較や燃費テスト、GPSロガーを用いた加速性能テストなど雑誌ならではの企画が目白押しです。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ゆりかご級の快適性!? スズキ・スカイウェイブ650LX【スクーター試乗レポ】