昨今環境問題や経済面から、自動車や航空機など各種輸送機器の軽量化が求められており、炭素繊維強化プラスティックは、金属に代わる「軽くて強い」材料として注目されている。現在金属の代替材料として熱硬化性炭素繊維強化プラスティック(CFRP)が主流となっているが、成形時間が長く、生産プロセスで発生する端材のリサイクルができないため、量産には不向きと言われている。一方CFRTPは、成形時間も短くリサイクル性には優れるものの、成形時の樹脂含浸が難しく機械強度が十分保てないため、実用化が一部の用途に限定されてしまうことが課題となっている。
AGC旭硝子はさらなるCFRTPの用途拡大に向けて、新たに当社のフッ素樹脂を用いた「CFRTP改良技術」を開発した。熱可塑性樹脂であるポリアミド6をAGC旭硝子のフッ素樹脂で改良することで、従来のCFRTPと比較し、耐衝撃性は30%向上した。さらにポリアミド6の熱分解の原因となる吸水率を30%低減させることに成功した。これにより高温成形時の製品不良を低下させ、歩留を向上させることが可能だ。