ゾンマー氏は、1963年ドイツ生まれ。独・ルール大学ボーフムで工学博士を取得し、1997年からコンチネンタルで部門長などを歴任したあと、2008年にZFザックスの取締役に就任。2012年からZFのCEOを務めていた。
「ZFといえば、トランスミッション」だった企業規模を、TRWの買収をはじめ、Hella社、NVIDIA、百度(バイドゥ)、フォーレシアとの協業、提携など、積極的な経営手腕で、ZFをボッシュやコンチネンタル、デンソーと並ぶメガサプライヤーに成長させたのは、ゾンマー氏の手腕によるものだ。
また、自動運転技術開発、コネクテッドカー開発にも力を入れてきたのも、おそらくゾンマー氏の考えによるものだろう。
今回のゾンマー氏のCEO退任が、今後のZFにどう影響するかはわからないが、「激震」なのは間違いない。
ZFは、Zeppelin Foundationが大株主として長期的に安定した経営ができる体質だ。どうやらここにはZFの本拠地であるFriedrichshafen市(フリードリヒスハーフェン)も関わっていて、ゾンマー氏の積極果敢な経営方針が受け入れられなかった模様だ。
以下、ZFのプレスリリースより
ゾンマー博士のこれまでの業績に関し、ZF監査役会長のフランツ=ヨーゼフ・ペーフェン博士は次のように述べている。
「ゾンマー博士の当社での長期にわたる活躍と貢献に感謝いたします。ZFのCEOとして活躍された5年間、シュテファン・ゾンマー博士は不断の決意とビジョンをもって当社を成長させてくれました」
「監査役会から後日後任が発表されるまでの間、CEO補佐役のコンスタンチン・ザウアー博士が暫定CEOを務めます。ZFにて財務、IT、M&Aを担当する取締役として、ザウアー博士は安定した経営を任せられる人物であり、取締役会全員から信頼を集めています」