コーナリングは実にダイナミックだ。4輪スポーツカーのような扁平プロファイルの超ワイドリヤタイヤ故、倒し込みにはやや粘りがあるが、一度バンクさせてしまえば絶大なグリップ感とともにどこまでもいける感じがする。加えてフロント21インチの大径ホイールによる慣性力によって直進はもちろん旋回中のスタビリティも申し分ない。つまり、旋回安定性が素晴らしいのだ。たしかにバンク角そのものは少ないのだが、起き上がろうとする巨体を腕力でねじ伏せつつ、ステップをカリカリと路面に当てながら曲がっていくのがチョー楽しい。コツさえつかめば、かなりのペースで峠道も攻められる。
とはいえ、ブレイクアウトはやはり街や高速道路をゆるりと流すのが気持ち良く、また自分のスタイルを演出するためのアイコンとしても最適だと思う。ハンドルポストに埋め込まれたシンプルなメーターや13リットルの小ぶりな燃料タンクなど、ミニマライズされた割り切り感が気持ちいい。ハーレーの美学を見せつけてくれる一台だ。