これはもう「運転者のみならず子供だろうがなんだろうが、とにかく人が乗ってさえいれば駐車違反にならない」と思い込んでいる人が急激に増えてきたということに他ならない。
その原因は間違いなく「放置違反金制度」のせいと言える。確かに、制度の運用にともない導入された「駐車監視員」が標章をつけるのは、無人のまま放置されているクルマだけであり、ドライバーはもちろん、助手席や後席に人が乗っているクルマは全く相手にしない。その様子を見て「なんだ、人が乗っていればいいんだ」と思い込んじゃうのも当然、かもしれないが、それは言うまでもなくとんでもなく勘違い、なのだ。
ちなみに道路交通法第9節、第45条に定められている「停車および駐車」に関する規定は次の通り。「車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない」。どう読んでも「人が乗ってればOK」とは書いていない、というか、この法律は「放置違反金制度」の導入以前から全く変わっていない。
ところが、2004年に「放置駐車違反金制度」が施行された以降、民間委託された「駐車監視員」がいわゆる「運転手が不在で、直ちにクルマを移動させることができない放置駐車車両」のみを業務の対象としたことから、逆に「運転手が乗車中で直ちにクルマを移動させることができる」場合は駐車違反とはならないという間違った認識が、世間に広まってしまったというわけだ。