今回の東京モーターショーでは、そんなPCXに大きな動きがあった。ホンダブースに飾られていた2台のPCX。「PCXハイブリッド」と「PCXエレクトリック」である。クルマでは今や当たり前となっているハイブリッドを、2輪の市販車として世界で初めて実現し、来年には発売する予定なのだという。(PCXエレクトリックの詳細は後日掲載予定)
PCXハイブリッドのパワーユニットには、従来のPCXと同様の124ccのeSPエンジンを使用。PCXのエンジン始動には、従来同様に「ACGモーター」が用いられている。ACGモーターとはスクーター用の発電機能とスターターモーター機能を一体化した物のことで、セルモーター式のようにギヤがかみ合うときの音が発生しないのが特長。今回はそのACGモーターを12Vから48V化して、その出力を常用することで、大トルクがエンジンをアシストする「マイルドハイブリッドシステム」を採用している……というのが大まかな概要だ。48V・ACGの搭載に伴い、従来のバッテリーとは別にリチウムイオン電池も追加で装備している。
従来のPCXの燃費はWMTCモード値で50.6km/L、過去に我々が行った実走テストでも50.17km/Lという優れた実力を誇っているので、今回のハイブリッド仕様は更なる燃費性能を……というよりも、パワーアップ的な意味合いの方が強いのだという。