1946年に市販が開始されたベスパには歴史的モデルも多く、それだけに愛好家も数多く存在する。そうした愛好家のために、ベスパのオーナーズクラブ内で組織された委員会によって開催されるのがベスパブランチだ。そう聞くとお堅いイベントと思われてしまうかもしれないが、ベスパに乗っている人も乗っていない人も「ベスパが好き」という理由で集まり、おしゃべりと食事を楽しむという欧米スタイルが魅力のミーティングイベント。だから誰でも気軽に参加できるというところもポイントだったりする。それに会場となる牛久シャトーは国指定重要文化財のワイン醸造施設なので、参加ついでに牛久シャトーを楽しむことだって可能だ。
それでは、ここからはイベントレポートをお届けしよう。ベスパブランチは2000年以来、毎年秋の体育の日を含む3連休の日曜日に開催され続ける。会場も牛久シャトーで継続されている。このように毎年「同じ日の同じ場所で開催されている」ということで、参加者たちは計画を立てやすいと好評なのである。
そんなワケで、2017年も10時の受付開始と同時に多くの参加者たちが来場。受付を済ませつつ、牛久シャトー内のバーベキューガーデン・芝生広場に新旧ベスパが並べられていく。その数85台。来場者は120名を超える盛況ぶりだ。
時計が11時を回ったところでベスパブランチ委員会による開会の挨拶があり、参加者全員による集合写真撮影も行った。そこから後はいわゆる自由時間。「え、ステージイベントとかやらないの?」って思う人もいそうだが、この自由時間こそがベスパブランチならではな欧米スタイルのミーティングイベントたるところ。この時間を利用して、参加者たちはお目当ての車両に関する情報交換をしたり、維持やメンテに関する質問をオーナーに直接聞いたりするのだ。やはり趣味性の強い乗り物だけにあこがれるオーナー予備軍は多いのだが、じっさいに手に入れるとなると躊躇してしまうケースが圧倒的に多い。そんなとき不安を解消してくれるのがオーナーの経験談ということも多いので、来場者は積極的におしゃべり(情報交換)にいそしんでいるようす。
そんなこんなで会場のいたるところで歓談している状況が続く中、ベスパブランチ委員会から集合の案内が響き渡るとそこからは表彰が行われた。開催毎に4つの賞が設けられ、受賞者が称えられるというもの。その発表をもって「第18回ベスパブランチ」はその幕を閉じた。
参加者たちは別れ際に「また来年!」と、言葉を交わし合う。来年もまた同じ日の同じ場所で会うことを約束するように……。
もしもあなたがほんのちょっぴりでもベスパに関心があるのなら、来年はぜひあなた自身がベスパブランチを体験しに行ってみてほしい。きっと今よりもっとベスパを好きになれるから。