その中で同社は、「Touch“座”Dream」をコンセプトに、運転しながらエクササイズできるシート「エクサライドシート」と、“まるで浮いている”ような着座感覚を目指した「やすらぎ空間シート」を参考出品している。
超高齢社会における健康寿命延伸を視野に開発したという「エクサライドシート」は、座ると背もたれの形状を自動調整するとともに、日常的に座ることで理想的な姿勢を取るよう促進。
さらに、骨盤を効果的に動かすエクササイズ機能を座面部に内蔵。身体の深部にあるインナーマッスル、主に腹横筋を刺激して体感運動を促す。
なお、アイドリングストップ時などの停車時には大きく動く「ツイストモード」、高速道路などの安定走行時は運転に支障がないよう小さく動く「スイングモード」で作動する。
同社によれば、これらの運動は運動強度レベル3に相当し、65kgの成人男性の場合は30分の運転で約100kcalを消費することを確認済み。井上社長はさらに「自動運転時代が到来した際には、車両側からの走行状況信号などを受け取ることで、さらに運動の機会を増やすことが可能になります」と述べている。
「やすらぎ空間シート」は、走行中に受ける様々なストレスを取り除き、乗っている人に“究極のやすらぎ”を提供することを目指したシート。やすらぎを妨げる大きな要因を疲労と位置付け、「それを軽減する方法を肉体的観点から着目したのが無重力状態で、その脱力状態が疲労軽減に効果的であることを確認した」(井上社長)。
そこで、まるで浮いているような感覚を目指し、脱力状態が最大化する角度を設定。さらに、個人ごとの体格差を圧力センサーで微調整することで、重力化でありながら浮遊感を味わえる姿勢を確立した。
そのうえ、精神的な観点から、副交感神経に作用する光の強さや心地よい音を発生させる機構や、着衣のまま心拍を測定できるセンサーを内蔵。この心拍値を「やすらぎ度合い」の目安のひとつにしている。