今回もっとも注目されるのが、カワサキの代名詞ともいえる“Z(ゼット)シリーズ”の最新モデル・Z900RS。そして既存の人気モデルである“Ninja (ニンジャ)”の250cc版と400cc版。
1972年、カワサキは「ゼットワン」の愛称で親しまれた空冷DOHC4気筒エンジン搭載のZ900RSをリリース。当時、世界最高峰の性能を誇った900ccのゼットワンは、国内では750ccにスケールダウンされ、Z750RSとして発売。通称「ゼッツー」と呼ばれた同モデルは、日本中の若者を虜にした。
あれから40数年。着実に歴史を重ねてきたZシリーズの原点ともいうべきZ900RSが、水冷エンジンや贅沢な足回りなど、最新技術を盛り込んで蘇った。
新しいZ900RSのポイントは、触覚や聴覚など、性能だけにとどまらない五感で感じる“Zブランド”ならではの魅力にこだわっているところ。無骨なスタイリングはもちろん、スロットルレスポンス、排気音など、荒々しさや男らしさを強調。Zの名に相応しいテイストを随所に盛り込んでいるのが特徴だ。
カワサキが誇るもう1つのブランドが“Ninja (ニンジャ)”。1984年、GPZ900Rから始まったシリーズだが、今回は250ccと400ccの2モデルをリニューアル。エンジン、フレーム、スタイリングを新設計するとともに、さらなる軽量化とパワーアップを実現。「走りを追求する楽しさ」をさらに深めているのがポイントだ。
基本構成を新型のNinja250と共通としながらも、パワフルな399ccパラレルツインエンジンを搭載したことで高いスポーツ性能を実現。
軽量化を図り、従来モデル以上の軽快な取りまわしとハンドリングを獲得している。
「ZやNinjaは“最速”のイメージが強い。しかし今回、カワサキが目指したものは、単純にスピードだけではなく“最高の走り”を実現できるかということ。今回発表した新しいZやNinjaは、性別を問わず、初心者からエキスパートまで楽しめるのがポイントです」と太田氏は述べた。
(写真:てつかたかし/レポート:北秀昭)