2006年からアメリカでシリーズ戦が始まった「グローバルマツダMX-5カップ」の2017年を締めくくる大会が、この「グローバルマツダ MX-5カップチャレンジ」である。日本のシリーズ戦を勝ち抜いた山野哲也選手と、メディア代表の大井貴之選手、欧州代表のBart Wubben選手を迎えた国際色豊かな大会で、グラスルーツレースとも呼ばれるもっとも庶民的な階層でありながらも、優勝賞金は75,000ドル(※1)を誇ることからもその注目度の高さが伺える。
レース1とレース2での合計ポイントで争う同レースは、♯29 Patrick Gallagher選手がともに1位で総合優勝を果たし、75,000ドルを手に入れた。
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日本のレースシーンとは比べ物にならない高額な賞金相場は羨ましい限りであるが、じつはここにもマツダの大きなこだわりがある。
それが「若手ドライバーの育成」であり、それに貢献するマツダ独自の「ラダーレールシステム」の存在だ。世界で活躍するプロドライバーを目指すには、グラスルーツカテゴリーから、中層カテゴリーを経て、「インディ500」や「IMSAウェザーテックスポーツカーチャンピオンシップ」といったトップカテゴリーへと上り詰める必要がある。マツダはこの下層・中層カテゴリーにおいてラダーレールシステムが橋渡しすることでドライバーたちを手厚くサポートしている。ユーザーと一緒にレース用のクルマを作り、直接メーカーから親密なアドバイスを受けられる。レースで活躍すると賞金や奨励金が貰えるなど……。
奨学金とは、レースなどで活躍した選手に与えられる、「レースにまつわることに使用できる報奨金」で、もちろん返済の義務は無い。レースに出るための資金を集めるためにアルバイトを……なんてこともなく、レースに専念して、上のカテゴリーを目指すことができるのだ。
今回のレースに参戦している♯51 Matt Cresci選手と♯63Robby Foley選手は「Mazda Road to 24」のスカラシップに合格し、それぞれに100,000ドルの奨励金が与えられている。こういった選手育成の試みを行っている自動車メーカーは他にはなく、マツダならでは。選手らに活躍してもらうことで、マツダのブランドの側面の一つ「スポーティ」であることを広く知ってもらい、また所有者にはマツダ車オーナーであることを喜びとして感じて欲しいというのがメーカーとしての思いなのである。
実際のところ、グラスルーツカテゴリーに参戦するドライバーの55%が、マツダ車で参加しており、今年5月に行われたインディ500では、33人のドライバーのなかで25人が何らかの形でマツダ車でレース参戦したことがあるという。こういった実情からも、アメリカのレースシーンにおけるマツダの存在の大きさ、マツダ車が支持されている理由が伝わることだろう。
※1 日本円で約8,500,000円こちらは「賞金」なので、奨励金とは異なりレース以外のことに使うことができる。