基本的な設定は「速度監視路線」などと書かれた予告警告板(通常2枚)に続いて、「電光警告板」(事前に簡易レーダーで走行速度を測定し、超過車に「速度落とせ」などの警告をする。)が設置されており、さらに200mほど進んだ地点に取り締まり用の大型レーダーとCCDカメラ、赤外線ストロボをセットしたHシステム本体が待ち受け、警告を無視した違反車を撮影するというもの。LHシステム同様、撮影された画像は所轄の警察に伝送され、後日、その画像を元に違反者を呼び出すというわけだ。
大阪の阪神高速を走ると、これでもかっていうくらい見かけるなんだかものものしいオービスが実はHシステムの元祖。30年前に環状族と呼ばれた阪神高速環状線を暴走する暴走族対策として設置されたもの。こいつも三菱電機製だ。
システムはもちろん、新Hシステムと同じ。丸いレーダーで速度を測り、左右のストロボ&CCDカメラで違反車を撮影し、映像とデータ(日時、速度等)を中央装置に送り、違反者に通知の上、検挙する。現時点で確認されているのは阪神高速のみの設置であり、一般道に展開された事実はない。本当は最新のLHに代えたいんだけど、大阪府は財政難だから予算がつかない、という噂もあり。
Hシステムは、一見、どれも同じように見えるが、実は前期型と後期型の2種類が混在している。1番の違いはCCDカメラの大きさ。後期型ではよりコンパクトになり、解像度も格段に上がっているといわれている。前期モデルのカタログからその主なスペックを紹介しよう。
〇カメラ
1500×1500画素CCDカメラ/シャッタースピード 約1/1000秒
〇ストロボ
照明:赤色フィルタ透過光
発光間隔:最小1秒間
〇レーダー送受器
送信周波数:10.525MHz
送信出力:50mW(定格)
アンテナビーム幅:約2°
速度測定範囲:40~200km/h
方向識別機能:接近車のみ撮影
投射角:0~10°
警告指導速度設定:40~220km/h(1km/h単位で設定可能)
といったところ。このスペックを信じれば、作動速度は220km/hまでは設定できるけど200km/h以上で走っていれば測定はできないということになるが、真相は定かではない。果たして200km/hオーバーで向かってくるクルマのナンバーとドライバーの顔がくっきりと撮影できるのか、興味津々だ。(後期型RS-2000Aは220km/hまで測定できるので、注意…っていうかそんなスピード出しちゃだめ!)
いずれにしても徐々に撤去され、いずれは消え去る運命にあるとはいえ、いまのところバリバリの現役オービスであることに変わりはない。特に北海道の76機は積雪が多くループコイル式が採用しにくい地域性により、いまのところ全取っかえは難しいとされているので、当分は主役として活躍するはずだ。