昨日までの陽気がウソのように肌寒い1日となった富士スピードウェイは、朝から時折激しく雨が打ち付けるハードウェットコンディション。
果たして不吉な「13日の金曜日」は、赤旗中断が出される不穏なスタートになった。
富士スピードウェイで6回目の開催となるWEC(FIA WORLD ENDURANCE CHAMPIONSHIP)6時間耐久が、10/13(金)の公式練習を皮切りにスタートした。
この世界耐久選手権は全9戦を世界各地で行い、あのル・マン24時間レースもプログラムのひとつ。今回の富士6時間耐久の結果次第では年間のチャンピオンシップが決定するという、参戦チームだけでなくモータースポーツファンにとっても緊張感が漂う開催だ。
注目はやはりトップカテゴリーであるLMP1クラスに参戦しているトヨタTS050とポルシェ919だろう。いずれもハイブリッド方式を採用しながら得手不得手が異なり、ここ富士スピードウェイではトヨタが有利という下馬評がたっている。
トヨタとしては地元で負けられないレース、そしてポルシェはWECからの今シーズン限りの撤退が決まっているだけに有終の美を飾りたいと、それぞれの思惑が激しく交差する。
公式練習は計2回、各90分のスケジュールが組まれたが、いずれも生憎の雨が降りしきる。公式練習1では、ディフェンディングチャンピオンのポルシェLMPが1-2のタイムを計測し貫禄を見せる。トップタイムは#1の1:35.527、続いて#2の1:35.660。トヨタGAZOOレーシングは小林可夢偉が乗る#7が1:36.010、#8は1:36.105に留まった。
LMP2クラスはジャッキー・チェンDCレーシング#38が1:47.437をマーク、LMGTE Proクラスはフォード・チップ ガナッシ#66が1:52.658、LMGTE Amクラスはクリアウォーターレーシング#61が1:53.381でそれぞれトップタイムを計測したが、全体的にタイムそのものは奮わなかった。
公式練習2は15:30スタートだったが、雨足はさらに強くなる。各チームなかなかペースが上がらない中、LMP2クラスのCEFCマノーTRSレーシング#25がスピンしてクラッシュ。コースに赤旗が出される事態になった。
そして長い中断のあと再開された公式練習2で一番時計を出したのは、トヨタGAZOOレーシング#7。タイムは1:39.202で、ポルシェLMP #1が1:40.523で続く。公式練習1よりもコンディションが悪化し走行時間も短縮された中での結果だけに、あくまでも参考タイムといったところだろうか。
明日は最後の公式練習が午前中に行われ、午後からは公式予選を行う予定。各チーム並びに観客も天候の回復を望みたいところだが予報は微妙だ。
しかし例え天候が芳しくなくとも、今回の6時間耐久は生で観戦する価値がある。なぜなら冒頭でも述べたように、ポルシェLMPが日本を走る姿を見られるのは明日の予選と明後日の本戦がラストチャンスだからだ。
トヨタTS050と歴史に残る激戦を繰り広げた偉大なライバル、ポルシェ919。
ポルシェファンだけでなくトヨタファンも敬意を表するため、富士スピードウェイに足を運んではいかがだろうか。