MX-5はスリップストリームが良く効くクルマなので、単独でのタイムアタックは圧倒的に不利になる。そこで、前を走るクルマのスリップストリームを使いながらアタックする必要がある。つまり、スリップストリームを利用されてしまう先頭では走りたくない。そのため、予選開始序盤はなかなかマシンがピットアウトしない状態が続いた。
「そのうち徐々にコースインが始まりましたが、お互いが牽制しあってコース上でダラダラとした走りが続き(※予選ターゲットタイムが2分3秒のところ、2分30秒前後での走行が続いた)、コースで渋滞が発生していました。そこで、その集団を離れて半周後ろにまわり単独走行して、タイヤをしっかりと温める戦略をとりました。その後、佐々木孝太選手と吉田綜一郎選手もチーム戦略として2台でアタックを始めたのですが、うまくそのタイミングにアタックを合わせ、彼らのスリップを使ってアタックすることに成功しました。その時点で(ランキングトップの)今村大輔選手よりも8/1000秒速いタイムを出すことができ、ポールポジションを獲ることができました」と予選を振り返った。
百戦錬磨・試合巧者の山野哲也ならではの経験が実ったポールポジションとなり3ポイントを獲得。ポールポジション獲得が自力でのチャンピオンを決める条件だったライバルの今村大輔は、ここでチャンピオン争いから大きく脱落となった。
そして決勝。チャンピオンを獲るためにトップを譲る・・・