実用化試験設備(40トン―CO2/日プラント)のイメージ。大きさ:縦 約23m×横 約53m×高さ 約40m火力発電所などから排出される排ガス中の二酸化炭素の分離・回収は、これからの低炭素社会を実現する上で非常に重要な技術である。しかし、分離・回収時のエネルギー消費量低減が課題となっている。
RITEおよび川崎重工はこの課題を解決するために、これまで「省エネルギー型二酸化炭素分離・回収システム」の研究開発に取り組んでおり、CO2用固体吸収材やKCC(Kawasaki CO2 Capture)移動層システムを新たに開発した。これにより、未利用エネルギーである低温排熱を用いたCO2の分離・回収が可能になったことで、従来の方式と比べて、大幅な省エネルギー化を実現した
。
関西電力は2016年度から本事業へ参画し、試験地点の検討を行なってきたが、今回、関西電力舞鶴発電所内に、国内初となる固体吸収材を用いた40トン―CO2/日規模の実用化試験設備を設置することとなり、2019年度以降に実用化試験を実施する予定だ。
本事業を通じて確立される二酸化炭素の分離・回収技術は、地球温暖化防止に関するパリ協定が目指す温室効果ガスの削減を、従来活用していた技術よりも省エネルギーで実現できるため、CO2削減にかかるエネルギー負担およびCO2分離・回収コストの低減に繋がり、経済性と環境保全の両立に寄与するものである。