これは、基本的にサーキットに特化したマシン。将来的に本当にレーシングマシンとなるのか、またはサーキット専用車となるのか、はたまた公道走行可能となるのかは一切不明だが、いずれにせよ“超ユニーク”なMINIであることは間違いない。具体的なスペックなども公表されてはいないが、ターボエンジンは強化され、サスペンションもハードに変更しているというから、開発陣もコンセプトカーとはいえ、かなり現実的に造ったようにも映る。
それだけにエクステリアは刺激的だ。大型のフロント&リヤエプロンは、空力的にも最適化されたサイドスカートを採用し、印象的なルーフスポイラーなどと合わせて優れたエアロダイナミクスを発揮するという。このスポーティなスタイルは、カーブサイドレッドメタリックとハイスピードオレンジのアクセントによって、強化されたブラックジャックアンスラサイトのボディフィニッシュで強調される。カーボンファイバーや他の軽量素材の使用も際立ち、MINIジョン・クーパー・ワークスGPコンセプトの“怪物ぶり”を、パフォーマンスと質感の両方で魅了する。
もちろん、インテリアにはロールオーバーケージやバケットシートが奢られている。とはいえ、ヘッドアップディスプレイも装備され、そこにはコース上のインフォーメーションや、サスペンションの設定を調整することなどが可能だというから、機能面での最先端も“ウリ”のようだ。
このコンパクトなディメンションに、短いオーバーハング、ワイドなトレッド、最適化された重量と低重心などは、往年のMINIがモンテカルロ・ラリーでの総合優勝を達成した際の設計原則と同様だと開発陣は胸を張る。
MINI John Cooper WorksのGPコンセプトは、MINIが長年に渡り築き上げた伝統を、最新のテクノロジーによって復活させるという、ドライバーの熱い想いに応えるために用意したというから、かなり本気なのだろう。是非とも市販化を望みたいものだ。