さて、この50周年スペシャルは台数が限られており、その数はたったの500台のみ。7月21日から8月21日まで申し込み期間を設け、応募数が500台を上回ったら抽選となることが事前にアナウンスされていたのだが、当然、応募数が500に収まるわけがなく、一か月で申し込みをした人数は4万5333人! 当選確率はおよそ1/90という狭き門だ。
この限定モデルの公開抽選会が8月26日にホンダ本社1Fのウェルカムプラザ青山にて行われた。当日は特別展示イベントの最中で、観覧車やメリーゴーラウンドなどモンキー発祥の地とされる「多摩テック」(2009年閉園)をモチーフにした屋内には20台の歴代モンキーシリーズがお出迎え。さらに、モンキーに縁のあるスペシャルゲストのトークショーや日光さる軍団によるパフォーマンスも行われ、コアなモンキーファンだけでなく、家族連れやカップルなども楽しめるコンテンツが催された。
トークショー終了後、メインイベントである抽選会が始まると、全応募者分の番号が書かれたカードが入れられた透明の箱がステージ中央にお目見え! モンキーガール2名と日光さる軍団の代表、村崎太郎さん&次郎(猿)らが、1枚1枚ランダムでカードを引いてボードに貼り出していく。この模様はWEBにも生中継で配信されていたので会場に来られなかった人でもリアルタイムで確認ができた。
会場には百数十名が詰め掛けていたが、その中から2名も当選! 埼玉県在住の茂木 孝さん(53歳)は「じつは初めてのバイクなんです。せっかくの機会なので応募しました。まさか当たるなんて……」と驚きを隠せない様子。もう一人の当選者、神奈川県から来場した大野琢也さん(50歳)は「1979年の初代メッキ仕様も持っていて、これで2台のメッキが揃いました! でも、乗るのがもったいないので当分は飾っておきます」と喜びを露わにした。
なお、抽選会前のトークショーでは、モンキーの開発に尽力したホンダOBの小泉一郎氏と二輪R&Dセンター・デザイン開発室に所属する吉村雅晴氏がゲストとして登場。貴重な資料や写真を基に当時のエピソードや開発秘話などを交え、ディープな話にモンキーファンは釘づけとなった。
排ガス規制、車体価格高騰、電動化の波、国内での第一種原付の存在意義など、様々な要素が絡み合い、惜しまれつつも市場から姿を消すことになったモンキーだが、スーパーカブとともにホンダの看板を背負ってきた「象徴」だけに、その復活を期待せずにはいられない。(REPORT:佐藤恭央)