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試乗時の設定車高はF:-70/ R:-65(mm)と結構なローフォルムだったが、想像以上のフラットな乗り味に驚かされた。路面に継目がある下りのコーナリングでも姿勢安定性が高く軽快で、凸凹通過時の突き上げ感も腰に優しくトンッと感じたくらい。リアシートのゲストも「乗用車のような乗り心地」と好印象だった。ちなみにセッティング時はカスタマイズユーザーが多い傾向から、荷室は空荷で1年半以上煮詰めている。
スタイル×乗り味のバランスは構造を熟知したプロ×2の提案
200 系専用最大80mmダウン対応の専用セッティング
前後ショック共に倒立式を採用しバネ下荷重を軽減
φ50シェルケース、φ46大口径ピストン採用の高圧ニトロゲンガス封入単筒構造で、初期入力時より確実な減衰力を発生させる。ばね下荷重の低減を考慮し倒立式としている。
リアはスチール製ロワリングブロックを組むことで重量増になるうえ、リーフスプリングということも踏まえ前モデル「RS7000MT」より倒立式を採用している。
ローダウン量に比例して損なわれてしまう乗り心地や操縦安定性をいかに両立させるか。スタイリングに加え機能性も求めるユーザーの声はハイエースでも同様、メーカーの腕の見せ所である。その中でも、同車種をメインにワンボックス用製品の開発に20年以上取り組んでいる「リム コーポレーション」の「RS7000MT SSサスペンションキット」は、ハイエース用として業界初の仕様を採用するなど話題性も高く、また納得の低さと乗り味を実現する足として注目されている。製品名でお気づきかもしれないが、ダンパーは高耐久・強度を誇るアメリカの4WD用サスメーカー「テネコ」社ブランド「ランチョ」のRS7000MTがベース。‹リム×ランチョ›、プロフェッショナル2社の共同開発品なのだ。シェルケースは車高ダウン量を最大F:80/R: 65 (㎜)に対応すべく最短設計とし、初期入力時から確実に高い減衰力を発生させる高圧ガス封入式単筒構造×大口径ピストンを採用しているのが大きな特徴。そして業界初の仕様というのが「前後倒立式」だ。理由は、大径ホイール&タイヤ装着による重量増への対応。リムでは17インチまでを推奨しているが、18~20インチの装着率が高いことからばね下荷重を軽減&足をしっかりストロークさせることで乗り心地の向上を狙っている。実際同じ減衰力設定の正立式/倒立式試乗比較では、乗り味に明らかな変化が表れたという。ただ、その乗り味を生み出すためにはキット
に含まれる「ハイパートーションバーΦ27・5仕様」もあってこそ。ローフォルムを実現しつつ、ダンパーの減衰力特性とバランスされる適度な反発力が与えられた重要パーツだ。またバンプストップラバーも硬度や厚みを最適化するなど、細部までトータルセッティング。それら技術によって実現した走りの質は、お世辞抜きに“乗用車”と思わせるものだった。
ハイパートーションバー27.5φ仕様/フロント・リア倒立モデル
■価格:50㎜ダウン 13万2000円
65㎜ダウン 13万3000円
■対応:200系1型〜4型、2WD及び4WD
車高ダウン量F:25~50、R:25/38(mm)に対応する「RS7000 MT」の次期モデルとして、さらにローフォルムを求めるユーザーに向けた「RS7000MT S」。「SS」はスーパーショートの意で、車高ダウン量F:50~80(mm)、:50/65(mm)内の車高設定で快適性を確保する仕様。
長期間の使用にもしっかり対応する耐久性&強度、クオリティもポイント
倒立式は正立式に比べてロッド部への負担が高いため強度を高める加工が施されている。シェルケースはシルバーメッキクリアコート加工により過酷な環境下での耐久性も確保。
ローフォルム×快適性を狙ったシェルケース
スーパーローダウン時での乗り心地確保のためシェルケースをショート化。上の純正ダンパーと比較すると一目瞭然だ。アッパー部のゴムブッシュも大型の専用設計としている。
グランドコンセプションスタイリッシュバンパー
■価格:2万9800円(純正近似色塗装済)
■純正対応カラー:ホワイト、パールホワイト、シルバーマイカ、ブラックマイカ、
グレイメタリック、ボルドマイカ、ブルーマイカ、マットブラック
■対応:200系4型前期/後期、標準ボディのみ
ヘッドライト下部を10㎜延長しワイド感を演出、アンダー部は20㎜延長され、シンプルながら立体感のあるデザイン。純正フォグは無加工で装着可能。
■価格:1万8500円
■対応:200系1型〜4型、
2WD・4WDナローボディ
ブレーキング時の踏力をブレーキマスターシリンダーへしっかり伝え、制動力を発生させるために効果的なパーツ。とくに走行距離が多い1-2型のバルクヘッドは剛性が落ちているため有効だという。パイプフレーム×3点留めでしっかり固定する。ボルトオン装着。現在、ワイドボディ用も開発中。
■価格:ブレーキパッド/ブレーキシュー 各1万2000円
Rimドリルドスリットローター(フロント) 3万円
■対応:200系1型〜4型、2WD及び4WD
リムではストリートからスポーツまで対応するブレーキパーツも各種ラインアップ。足まわりの名門スイフトと共同開発している。
(スタイルRV Vol.130 トヨタ・ハイエース No.26 2018年4月)