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世界のモーターショーで話題を集める、三菱の新型SUV「エクリプスクロス」。日本発売はまだ先だが、今回、限りなく市販モデルに近いプロトの試乗機会を得た。その感触をズババッと!
市場が急成長しているSUV、とくに実用性の高いコンパクトクラスに打って出る「エクリプスクロス」は、SUV=ヨンクとして求められることが多かったアウトドア直球路線ではなく、アーバンテイストを醸し出すクーペライクな1台だ。車名にある「エクリプス」とは四半世紀以上前に登場し北米でヒットしたクーペに由来し、そこにSUVを象徴するクロスオーバーの名を組み合わせたもの。なぜいまエクリプス?との声が挙がって当然と思うが、聞けば三菱車の販売比率はなんと1対9。圧倒的に海外とのこと。クーペとして認知度が依然高い海外市場を見越せば、もっともイメージが伝わりやすい「エクリプス」の名が付くのは、ある意味自然な流れといえる。ちなみに世界8カ国で販売予定という。
フラットフォームはアウトランダーがベースとのことで、ボディサイズ的にはアウトランダーとRVRの中間。ディス・イズ・ミツビシ!といえるアイコニックデザイン、ダイナミックシールドを採用した顔付きは、精悍かつ大胆だ。ドアにザックリ刻まれたエグレも象徴的で、じつに逞しい。三菱調査によると、コンパクトSUV市場ではとくにデザインを重視する傾向が高いとのことで、スペシャリティさを際立たせる意味でも、デザインにはとくに力が入った模様だ。
エンジンは1.5Lターボのみ。すでに出荷が始まっている欧州や豪州では、同ユニットのほかに22Lディーゼルターボがあるが、日本では導入予定なしとのこと。だが、走り出しから快調で、レスポンス良く、低回転域からの加速性がとても良いことや、日本の道路事情を鑑みればガソリンで充分という印家も。特設試乗コースは直線、スラローム、ウエットコーナーとあり、比較用に現行アウトランダーやRVRも用意されていたが、新型の生命線の1つであり、三菱の象徴ともいえる4WD制御(S-AWC)の効きはしっかり体感できるレベルで、グリップ感は高く挙動は安定。回頭性も比較車よりも良く、(高いボディ剛性の恩恵も当然あるが)トレース通りに曲がる、進むという印象。運転していて素直に楽しいと思えた。さらに好感触だったのが見晴らしで、ダッシュの形状が比較的フラットなため、視認性がとても良い。コンパクトクラスという女性利用も多いとされる同クラスでは、このくらいラフに見渡せるほうが断然使い勝手が良い。
かといって、良いところばかりではなし。試乗コースも影響していると思えるが、加速時のエンジン音が少々騒がしく感じたほか、力強い走りのわりにステアリングが想像以上に軽い。一方でボンネット、バックドアが重かった。とくにバックドアは、ある意味後席ドアよりも開ける頻度が高いともいわれる場所。万人が使う実用車であることを考えると、軽くあるべきではと感じた。
直近ライバルといえるC-HRよりも、全長×全幅×全高は僅かに大きい。リアドアノブをピラーに格納する流行はあえて踏襲せず。ボディを横断するエグレに沿ったドアノプは地面に向かい斜め。かなり握りやすい。
見晴らしの良さは座れば一目瞭然。スマホ連携モニターは僅かに後ろへ傾斜と見やすく、運転席前には小型ディスプレイが立ち上がる。直感的な操作性を重視した。パットコントローラーがシフトノブの右横に装備される。
シートで注目はとくに後席。着座位置自体が高く、前方への見晴らしが良いなど、じつに開放的。後席は約200mmの前後スライド、9段階リクライニング機能も備えるほか、背面の前倒しも可能。
6対4可倒式の後席はワンタッチで操作可能。編集部がザックリ採寸したところでは、開口地上高780mm、荷室幅1250m、荷室末端から後席までの奥行700mm。ちょうど良い高さと広さだが、前倒し後はフラットにならず。
日本導入の1.5Lガソリンターボは、1000〜2000回転までにイッキにトルクが上がる低中速の伸びの 良さが自慢。アクセルの緩急にあわせ回転数を制御 する8速モード付きCVTによる加速感も好印象。
試乗車 SPEC
【エンジン】1.5L 直噴ターボ【最高出力】120kW/5500rpm【最大トルク】250Nm/1800-4500rpm【ミッション】8 速スポーツモード付きCVT【駆動】 4WD【全長×全幅×全高】4405×1805×1685 mm【ホイールベース】 2670 mm【最低地上高】175 mm【タイヤサイズ】225/55R18
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