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編集部(以下、編):
先日、新しいエアロブランドとなる“クルーズバイクールレーシング”を発表しましたが、これで30アルファード用のエアロキットは後期だけで5モデル目。他のカスタムメーカーを見渡しても、これだけアルファードに積極的なメーカーはありません。なぜここまでアルファードにこだわるのですか?
クールレーシング・片岡代表(以下、片岡):
前回もお話しましたが、クールにとってはじめてのミニバン用のエアロキットがアルファード&ヴェルファイア。僕のこだわりであるスポーツを、どうミニバンで表現するか、かなり悩みましたが、カナード風にスポイラー両サイドを立ち上げたり、リアにフローティングタイプのディフューザーをデザインすることで、ミニバンでもスポーツ感をしっかり表現できたと思います。それが個性につながり、多くのユーザーさんが受け入れて下さったと思っています。デビュー作から5年、カスタムされた新車が購入できるコンプリートカーショップを展開してきたことで、お客様の声を製品開発にフィードバックすることも大事にしてきました。その結果が、アルファード用のエアロキットが多くなった理由だと思います。
編:
アルファードに乗りたいお客さんが、色々なエアロキットを求めていたということですか?
片岡:
その通りです。現在名古屋をはじめ、全国にコンプリートショップが5店舗ありますが、どの店舗もお客様の6割がアルファード&ヴェルファイアで占められています。数が増えれば、どうせなら違う仕様のクルマに乗りたいと思う、それがカスタム好きの心理だと思います。ですのでバンパーエアロやハーフ、フラップスポイラーなど、お客様の選択肢が少しでも増えるよう、アルファードに関してはバリエーションを増やしています。
編:
さすがに5種類も出すとデザイン案が同じような形になったりしませんか?
片岡:
最近は辛いですね(笑)。僕の場合、クルマ=スポーティ、見た目はもちろん走って楽しめるモノという部分に強くこだわっているので、しっかり空力性能も考えた形になるよう試行錯誤しています。
編:
えっ!? エアロパーツって、見た目をカッコよくするためのパーツではないんですか? 空力性能もあるんですか?
片岡:
あたりまえじゃないですか。そもそもエアロパーツは、レーシングカーがより速く走るために装着するもの。空気抵抗を減らしてダウンフォースを得たり、気流の流れを制御して安定性を高めるためのもの。クールのエアロキットは、レーシングカーと同じ風洞実験を行い、空気抵抗がどう変化するのかまで研究しています。
編:
そこまで本格的なんですね。
片岡:
見た目をカッコよくするということも大事ですが、やっぱり性能面の向上も重要です。特にアルファードの場合、全高が高くて高速道路を走るとフラフラしがちという声を聞きますし、僕が最初にアルファードを運転したとき凄く気になった部分。実際クールのエアロキットを装着することで、ダウンフォースが得られ走りが安定します。またサイドから後方へ向かってスムーズに風が流れるため、風切り音なども静かになります。
編:
すみません、完全に勉強不足でした……。
片岡:
クール独自の設計なので詳細はあかせませんが、エアロパーツの取り付け方法や固定用のボルトひとつとっても、かなりこだわっています。やっぱりクルマは気持ち良く走るためのもの。エアロパーツを付けたら不便になった、そういったことがないよう、お客様と会話しながら、常に製品開発のヒントを探っています。
■■30A-RSⅡ【30アルファード/後期用 Ver.4】■■
かたおかたかひろ◎オリジナルパーツを開発するクールジャパン、車両販売のルーフコーポレーション(クールレーシング)など、5つの事業を統括するクールホールディングスの代表取締役社長。昨年は中止となったが、サーキットを貸し切ってのファン感謝イベントでは、ドリフト技を披露する走り好き。
クールジャパン
https://kuhl-japan.com
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]