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―――つまりこの3年間、地道に多くのクルマへの適合を調査して、そのデータが蓄積されてこの数になっているということでしょうか?
「その通りです。クルマを探してきて実際にストラーダFシリーズを装着して調べています」。
―――そんなに手間のかかることをしているのですか。確かに実際にクルマに装着しなくては詳細な適合情報は出せませんね。
「カーナビを取り付けたために運転に支障が出たり、原因となる事故が起きてはいけませんから、確実に、慎重に適合の確認を行うようにしています」。
―――400車種というと、これは現行型だけではないですよね?
「はい。もちろん新型が発表されれば調査を行いますが、それ以外にストラーダFシリーズが発売される以前のクルマもさかのぼって調査しています」。
――― なるほど、そうすると400という膨大な数になるわけですか。ちなみにどれぐらい前のモデルまでさかのぼっているのですか?
「だいたい2世代です。先々代型というのでしょうか。息の長い車種だと2000年ぐらいになります」。
―――20年近く前ですね。それならば長く乗っている愛車のカーナビが古くなって買い替える場合などでも適合確認ができて助かります。
「じつは調査のために古いクルマを探すのは結構苦労しています。社員や知り合いなどに声をかけることも少なくありません」。
―――ちなみに装着不可となる車種の割合を教えて下さい。「2DINスペースを持つクルマで不適合となるのは全体の1〜2割程度でしょうか」。
―――詳細な適合情報はどこで確認ができますか?
「弊社ウェブサイト(https://panasonic.jp/car/navi/f1dtaioushashu/)で公開しており、随時更新しています」。
―――適合確認では具体的にはどのようなポイントをチェックするのか教えて下さい。
「ディスプレイ部分が周囲のパーツに干渉しないかどうかを確認します。シフトレバーやワイパーレバーなどです。さらにはハザードスイッチやメーターに被ってしまわないか、前方視界を妨げることがないか、などとても多くの部分を厳格な社内基準に基づいてひとつずつ確認していきます」。
―――最新モデルに採用されているDYNABIGスイングディスプレイでは上下スライド、角度調整に加えて左右スイングなどもあり可動部分が多く可動範囲も広いですが。
「もちろん可動する部分についてもすべてチェックしています」。
―――車種によってはぎりぎりクリアということもありますか?
「そうですね。実用上は問題ないものの間隔がやや狭く感じるような場合もあります。そのような場合には適合表の中に注意事項を掲載しています」。
―――ほかにはどのような部分を見るのですか?
「実際に走行して路面からの振動が原因でブレが発生しないかどうかも確認します。車両自体の構造(ダンピング、取付部剛性など)により、画面ブレへの影響がある場合もあり、これについても適合表に注意事項として掲載しています」。
―――このモデルでは搭載ディスプレイのサイズがこれまでの9型から10型へと拡大しています。それなのに従来からのデータが引き続き使えるというのはどういうわけですか?
「ここはストラーダの開発陣が苦労したポイントでもあるのですが、じつは10型画面搭載機でもディスプレイ部分のサイズは9型画面搭載機とほぼ同じです。そのために狭額縁のディスプレイパネルを新規に開発しました」。
―――そんなカラクリがありましたか。でも重量は増えてしまったのでは?
「重量が増えるとブレが発生しやすくなってしまいますから、この点は素材に軽くて強度のあるマグネシウム合金を採用することで従来レベルに抑えてあります」。
―――10型大画面になってもさまざまな車種に適合させるため、たくさんの工夫や改良がなされているのですね。
「安全第一、ユーザー第一のモノ作りを心がけています。ぜひ多くの方々にCN-F1X10BDをお使いいただきたいと思います」。
今回お話をうかがったのは…
問:パナソニック ☎0120-50-8729 https://panasonic.jp/navi/