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元はボディデザインを専門とした集団が始まりであり、自動車メーカー自身が仕上げたそれとは一線を画す美しさが特徴である。
しかしながら、競争が激化してきた自動車業界はコストが高くつくカロッツェリアに変わって、自動車メーカー内にデザイン部門を設けることによって安く納めるようになる。そうした時代風景の中、ベルトーネは2度の破綻。ピニンファリーナはインドのマヒンドラグループに、 巨匠ジョルジェット・ジウジアーロ氏が設立したイタルデザインもフォルクスワーゲングループに買収されてからは、カロッツェリアが手がけるイタリアンカーはすっかり姿を消してしまったのである。
これは多くのイタリア車ブランドをもつ、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)も原因の一つであろう。2000年代には一時期経営を立て直したフィアットグループが、2014年に米クライスラーを傘下に収める前後あたりからどうもパッとしなくなった。分社化したフェラーリは好調を維持しているものの、ピニンファリーナ製ではないボディデザインはかつての優雅さや美しさから少しかけ離れたものになってしまったように見受けられる。どことなく大味になってしまってように感じるのは筆者だけであろうか。
これにはミレニアル世代の富豪層が台頭してきたことも関係してくるようにも思える。若い世代は繊細な高級感や美しさよりも、わかりやすいインパクトや派手さを好むようだ。