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列車網が発達しているドイツとはいえ、駅がない小さな町はたくさんあります。そうした町の交通手段の主力は、やはりクルマです。制限速度が日本よりもはるかに速いドイツで、根強い人気を誇るのがステーションワゴン。今回は、年末年始で遠出してきたと思われるアウディ100アヴァントをご紹介しつつ、なぜドイツではステーションワゴンの人気が衰えないのかを考えてみたいと思います。
写真のアウディ100アヴァントは、「C3」と呼ばれる3代目モデルです。全長4.8m、全幅1.8m強のゆったりとしたサイズに、大きく傾斜したリアハッチゲートが目をひきます。1982年から1992年にかけて生産された3代目アウディ100は、小排気量で高速巡行を実現するために、徹底的に空力をリファイン。空気抵抗をCd値0.30まで引き下げ、高速走行時の静粛性・快適性を高めました。この個体のグレードは、2.3Eと呼ばれる水冷直列5気筒SOHC2309ccエンジン搭載モデルで、最高出力136hp/5500rpm、最大トルク19.4kg・m/4000rpmというスペックとなっています。
ラリー競技でのアウディ・クワトロの成功を受けて、アウディ100にもクワトロシステム(四輪駆動)搭載車が登場しましたが、この個体は通常のFFモデルですね。全体的に黒でドレスアップされた外観とフロントスポイラー、リアから覗く大径マフラーが、どことなく悪役なイメージを感じさせます。かなり走り込んでいるようで、ボディの傷やヤレ感は年式相応といったところでしょうか。