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そもそも「過走行」とか、日本特有のおせっかいだなあと思うのです。人のこと言いすぎるんですね。いいじゃないですか。何キロ走ろうと、乗らずに過ごそうと。人のクルマなんだから。こういう発言が聞かれるということは、何らかの「平準化」を図ろうとしている証拠だと思うのです。なぜそんなことを気にして乗らなければならないのか。まあ、こんなへそ曲がりの一つも言いたくなってしまうわけですが。
そのうえで、年間一万キロくらいは走っていてほしいものだ、という感覚が私の中にはあるものです。その中古車を買うときのことで言えば、距離数を求める発想がちょっと理解できないくらい、過走行の方が安心できます。もっとも内装のヤレだとかは確実に距離に依存しますので、距離の少ないものの方がきれいですが。機関系のコンディションの良さは、ほぼ十中八九、過走行なもの、距離多めの方がいい。10年以上経って実走行30000キロ以下の方が、むしろ不安になります。経年変化だけが進んでいて、距離が少ないということは油の廻りが少ないわけです。エンジンをかけて圧がかかった時に、劣化した樹脂パーツに亀裂が入って故障、とか普通に起こりうる話ではないでしょうか。別に距離が少ないクルマが出てきたときにそれを買ってはダメとまでは申しませんが、できれば、過走行のクルマ以上に、一見なんでもなさそうな樹脂パーツ「総取り換え」した方がよいのではないか。そんな風に感じてしまいます。
距離が走っているということは、それだけ故障して入庫していた可能性が少ないということ。そして、同じ時間で過走行と言えるほど走っているということは、街中メインのクルマなどよりブレーキなどの使用頻度が少ないのではないか、という仮説が成り立ちます。同じ相場から外れたクルマなら、低年式低走行車よりも高年式過走行車の方が生理的には受け入れやすいというのが個人的な感覚値です。