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新車として軽自動車を購入し、納車から数カ月後あるいは数年後に「…これを買ってよかった」としみじみ思える軽自動車とは、いったいどんなモノなのでしょうか?まずはその本質的なメカニズムから考えてみることにしましょう。
「買ってよかった軽自動車」があるということは、理屈としては「買って失敗だった軽自動車」あるいは「買ったけど、あまりいいとは思えなかった軽自動車」もあるということになります。
では「買って失敗だった軽自動車」「いいとは思えなかった軽自動車」とは、果たしてどんなモノなのでしょうか?
大前提としては、今どきは昔と違って「新車として買ったのに、すぐあちこちにガタがきた」「ニューモデルなのに、さまざまな部分の性能がぜんぜん良くない」みたいな車種はほとんどない――ということをご理解ください。最近はどんな自動車メーカーのどんな軽自動車であっても、「とりあえず3年から5年ぐらいは普通に満足しながら使える」と断言できます。
そういった時代であるにもかかわらず「失敗した」「満足できなかった」と実感してしまったケースは、要するに「その軽自動車のキャラと、自分の使い方が合っていなかった」ということに尽きます。
これはいわゆるミスマッチというやつで、近隣の低山に登る人が、富士山の頂上を目指すぐらいの装備を用意しても重くてツラいだけですし、逆に富士山の頂上を低山仕様の装備で目指したら、最悪の場合は死んでしまうでしょう。
まあ富士山と低山のたとえは少々極端かもしれませんが、軽自動車選びにおいても何らかのミスマッチを起こしてしまい、それがために「買ったはいいけど、あまり満足できなかった…」という、やや不幸な結末を迎えてしまうケースは少なくないのです。
そういったミスマッチをなくし、結果として心の底から「この軽自動車を買ってよかった!」と思えるようになるためには、まずは「自分自身が軽自動車というものに“何”を求めているのか?」ということを、ある程度ハッキリさせておくことが重要になります。
就活時の自己分析みたいにガチガチにやる必要はありませんが、「で、自分は軽自動車を買って“何”をしたいんだっけ?」ということを、まずはざっくりと整理するようにしてください。
そのうえで次に「自分が思い描いている使い方に合致しそうな軽自動車とは、どんなカテゴリーに属する、どんな車種なのだろうか?」ということを調査し、学び、その結果に基づいて選んだ車種を購入するようにしてください。前述のとおり、最近の軽自動車はどれもそれなり以上の品質と性能を伴っていますから、このような段取りを踏みさえすれば、ほぼ自動的に「買ってよかった!」という結果だけが発生することになるのです。
「調査し、学ぶ」というとちょっと難しそうにも聞こえますが、やることは簡単です。具体的には、
ぐらいのことを、ちょこっと調べるだけです。そうすれば、大満足か中満足(?)かはケース・バイ・ケースでしょうが、おおむね「この軽自動車を買ってよかった」という感慨にひたれることでしょう。
近年の軽自動車は品質も性能も十分に向上しているため、新車で買う限りは「性能や品質がイマイチだった…」みたいなことにはほぼなりません。どのメーカーのどの車種も、それなり以上にいい車なのです。そのうえで、さらに「買ってよかった!」と心底思える軽自動車とは、下記の6条件におおむね合致するモデルであるといえるでしょう。
ひと口に軽自動車といっても、そのボディタイプはさまざまです。「軽セダン」と呼ばれるベーシックなタイプから背が高いタイプ、あるいはSUVタイプまで、近年は本当に多種多用なボディタイプが存在していて、さらに「背が高いタイプ」の中でも、最近はいろいろと細分化されています。
そんな状況下で、自分のライフスタイルや嗜好、あるいは使用目的にピタリと合ったボディタイプであれば「買ってよかったな…」と思えるものです。逆にここでハズすと必然的に「…失敗した!」ということになり、せっかく買った車をすぐさま手放したくなったりもします。
無駄に大きなサイズの軽自動車を選ぶ必要はもちろんありません。しかし「結婚する」「子どもが生まれる」「両親と同居する」等々、今後ライフスタイルが変化する可能性もある人は、そういった変化も見越して、やや大きめなボディタイプを選んでおくというのもアリでしょう。
近年は軽自動車の諸性能もずいぶん向上しているため、安価でベーシックなタイプであっても「ぜんぜん走らなくて困る…」みたいなことにはなりません。とはいえ、それはあくまで「普通に街なかを走る・乗るだけなら、どんな軽自動車であっても困ることはない」ということです。
もしも「比較的長い距離を走ることも多い」というユーザーでしたら、ターボ付きエンジンの軽自動車を買わないと「買ってよかった!」という結果にはなりにくいでしょう。また「キャンプが趣味」という人であれば、FF車ではなく4WD車のほうが明らかにベターです。逆に、子どもの送迎や近隣での買い物が主な用途であるならターボも4WDもオーバースペックで、ただただ燃費が悪くなるだけで終わってしまいます。
そういった走行性能の部分が「他の誰かではなく“自分自身の使い方”に合っているかどうか?」というのも、購入後の満足度を大きく左右させる部分なのです。
現代社会では「モノの性能は値段なりである」という部分が大であるため、軽自動車も、高額な上級車種や上級グレードは装備類が充実していますし、そうでない車種やグレードの装備は、まぁ値段なりである場合がほとんどです。
そんなとき「ま、近所をちょっと走るのに使うだけの車だから」という感じで、装備内容がベーシックであることに納得がいっているのであれば、安価な車種や安価なグレードであっても何ら問題はありません。
しかしそうではなく「たまには家族で遠出もしつつ、満足しながら長期にわたって所有したい」と考えるのであれば、運転支援システムや快適装備などがなるべく充実している上級車種や上級グレードを選んだほうが、「買ってよかった!」という結果になる可能性は高いものです。
車というのは移動するための実用機械であり、特に軽自動車は「趣味的なモノではなく、あくまでも用事をこなすための機械」という側面が強いものです。
とはいえ、車というのはどうしたって「身に着けるモノ」に近い部分もあるため、そのデザインが自分の好みから明らかに外れていると、次第に乗っていること自体が苦痛になってきます。
もちろんエクステリアデザインも大事なのですが、運転中は常に視界に入ることになる「インテリアデザイン」が自分の好みにある程度合致していれば、「この車を買ってよかったな…」と、常々思うことができるでしょう。
一概にはいえませんが、軽自動車はおおむね6年ごとにフルモデルチェンジが行われ、それまでのモデルは「旧型」ということになります。
旧型になったからといって特に何か問題が生じるわけでもないのですが、やはり新型が登場してしまうと、旧型のユーザーとしてはどうしたって微妙な気持ちになってしまうことは避けられません。
しかし「ニューモデルとして登場してから間もない車種」を選ぶようにすれば、購入からおおむね5~6年は「とりあえずバリバリの最新型だぜ!」というニュアンスで、気分よく乗り続けることができます。
近年の軽自動車は、走行性能などが以前よりも向上しただけでなく「耐久性」も普通に向上しているため、どんな車種であっても5年間ぐらいは特に大きな問題もなく乗ることができます。とはいえ、鉄でできている機械の部分ではなく「電子制御」に関する部分は、早めのタイミングでややこしい壊れ方をしてしまうことも稀にあります。
しかしシンプルな作りのオフローダーであるスズキ「ジムニー」や、商用車としても活躍しているダイハツ「アトレー」、スズキ「エブリイ」などは本当にタフで、定期的な整備さえ怠らなければ何十万kmでも元気に走り続けることができます。
そういった「タフでシンプルなつくりの軽自動車」は数年後あるいは10年後ぐらいに、しみじみと「買ってよかった…」と思う結果になるでしょう。
まずは「ボディタイプ」が自分のライフスタイルに合っていないことには、何をどう選んでも「買ってよかった!」という結果にはなりにくいものです。何かと使いやすいボディタイプの軽自動車のなかから、おすすめの3車種をピックアップしてみましょう。
ホンダ N-BOXは「軽スーパーハイトワゴン」と呼ばれるボディタイプの軽自動車で、そのなかでも一番人気のモデル。2023年10月にフルモデルチェンジを受けた「登場したばかりの車」でもあります。
軽スーパーハイトワゴンとは、おおむね1.8m近くとなる背の高いボディにスライドドアを組み合わせたボディタイプのことを指します。その抜群のスペース効率とスライドドアならではの利便性により、普段づかいだけでなく「背が高い観葉植物」などの運搬も行えたり、子どもであれば立ったまま車内で着替えができたりすることなどから、「軽自動車を買うなら、とりあえず一番便利な軽スーパーハイトワゴンを」というニュアンスで選ばれることが多いジャンルです。
また後席の居住空間もとにかく広いため、ライフスタイルや家族構成が変化した際にも、車を買い替えることなく対応可能な場合が多いでしょう。
そんな軽スーパーハイトワゴンのNo.1製品であるホンダ N-BOXは、今回のフルモデルチェンジにより使い勝手もデザインのクオリティもさらに向上しましたので、よりいっそう「万人におすすめできる軽自動車」になっています。
ダイハツ「ムーヴ キャンバス」は「背が高いスライドドア付きの軽自動車」ですが、ホンダ「N-BOX」などの軽スーパーハイトワゴンほど極端に背が高いわけではなく、全高1,655mmという「程よく背が高いボディ」に、便利なスライドドアを組み合わせたボディタイプです。
「子どもが立ったまま、車内でサッカーのユニフォームに着替える」というようなシチュエーションでは、もちろん軽スーパーハイトワゴンのほうが便利です。しかしそういった使い方はあまり想定していない人には、ムーヴ キャンバスぐらいの背の高さのほうが「ちょうどいい」と感じられる可能性は十分にあります。
また2022年7月に発売された現行型(2代目)のムーヴ キャンバスはターボ付きエンジンのグレードもラインナップされたため、長距離移動も比較的ラクに行うことが可能になっています。また「内外装デザインがかわいい」という点においても、各方面から人気を集めています。
ホンダ「N-BOX」のような軽スーパーハイトワゴンも、ダイハツ「ムーヴ キャンバス」のような「軽トールワゴンにスライドドアを組み合わせたボディタイプ」も、それぞれ魅力的ではあります。
しかし、ライフスタイルによっては「背の高さもスライドドアも特に必要ない」という場合だってあるでしょう。そして背が高いボディや電動スライドドアを採用すると、どうしたってコストも重量も増えますから、そのせいで車両価格が高めになったり、燃費が今ひとつになったりもします。
そのため、「極端な背の高さや電動スライドドアは不要」というライフスタイルを送っている人には、スズキ「ワゴンR」に代表される「軽トールワゴン」というボディタイプが最適かもしれません。
軽トールワゴンは、1.6mぐらいとなる程よい全高のボディに、ヒンジ式(ちょうつがい式)のドアを組み合わせているもの。普通に使う分にはまあまあ十分な背の高さを持ち合わせており、なおかつ余計な重量物もないため、比較的低燃費でキビキビ走ることができます。そしてそのなかでもスズキの「ワゴンR」は、モデルとしてもっとも長い歴史を持つ、信用のおける軽トールワゴンです。
軽自動車は「ちょっとした用を足すため」に使われることが多い車ですが、それでも走行フィールや性能が高いことに越したことはありません。楽しく安全に、そして元気に走ることができる軽自動車3車種をピックアップしてみましょう。
スズキ「ワゴンR」と同じく「軽トールワゴン」というジャンルに属する一台ですが、基本骨格となるボディと車台がとにかくしっかりしているため、それに付随して「足回りもしなやかで強靭」「強力なターボ付きエンジンの力もしっかり活かせる」という意味で、大変に素晴らしい走行フィールが味わえる軽自動車です。
また軽自動車のステアリングホイールの位置は一般的に、上下方向にしか調整ができません。これを前後方向にも調整できるようにするとけっこうなコストがかかってしまうため、安価な車両価格を売りとする軽自動車でそれをやるのはちょっと難しいのです。
しかしこちらホンダ「N-WGN」は、軽乗用車としてはきわめて珍しい、ステアリングホイールの位置を前後方向にも調整できるモデルです。自分の体格に合ったステアリング位置に調整するというのは、安全運転およびスポーティな運転をするうえでは基本中の基本。その意味でも、ホンダ「N-WGN」は「走行性能に優れる軽自動車」であるといえます。
ホンダ N-ONEは、俗に「軽セダン」と呼ばれる全高1.5m少々の背の高さ(低さ)となるタイプの軽自動車。シンプルで完成度の高いデザインも大いに魅力的なモデルですが、そのなかでも「RS」というグレードの走行性能は絶品です。
N-ONEが搭載するエンジンはノンターボとターボ付きに分かれていて、「Premium Tourer」というターボ付きエンジン搭載グレードの走りもなかなかのモノなのですが、ターボ付きエンジンに6速のマニュアルトランスミッションを組み合わせたRSのドライビングフィールは「スポーツカーに近い」と言っても過言ではないほど。
決して安定感たっぷりというタイプではないのですが、「軽自動車であってもパワフルに、そしてキビキビと走りたい」と考えている人にはきわめて向いています。
ダイハツ タントは、走行性能うんぬんとか一見ほぼ無関係にも見える、全高1755mmの軽スーパーハイトワゴン。しかしコレの走りが、実はなかなかのモノなのです。
全高が1.8m近くとなる軽スーパーハイトワゴンは、どうしたってカーブを曲がる際などの安定性には若干欠けることになります。もちろん最近の軽スーパーハイトワゴンはどのメーカーの製品もよくできていますので、普通の速度で普通のカーブを曲がる分には何ら問題はありません。しかし背が高い分だけ、やや速めの速度で割と急なカーブを曲がろうとするとどうしたって車体がグラッと傾き、ちょっと不安を感じてしまうのが現実です。
しかし「DNGA」というコンセプトに基づいて開発されたダイハツ タントは、数ある軽スーパーハイトワゴンのなかではもっとも安心してカーブを曲がることができる一台です。
軽スーパーハイトワゴンのコーナリング性能うんぬんを語るのはナンセンスに聞こえるかもしれません。しかしこれから軽スーパーハイトワゴンを探す人が、もしも「より安心・安全に、気持ちよく普段づかいをしたい」と考えるのであれば、ぜひダイハツ「タント」にご注目ください。
「数百m先のスーパーまで買い物に行くだけ」みたいな使い方であればさておき、そうでないならば、快適装備などがある程度以上は充実していないと、なかなか満足はできないものです。装備が充実している代表的な軽自動車をピックアップしてみます。
正直、「軽スーパーハイトワゴンの上級グレード」は日産「ルークス」だけに限らず、どのメーカーのモデルも装備類は非常に充実しています。そのため「日産 ルークス ハイウェイスター プロパイロットエディションが第1位である」というのはあくまで便宜上のことなのですが、それでも、このグレードが標準装備している数々の装備類はやはり魅力的です。
代表的な装備は、グレード名にもなっている「プロパイロット」でしょう。
日産のプロパイロットとは、要するに高速道路の単一車線での運転支援技術です。渋滞走行と長時間の巡航走行の2つのシーンで、アクセルとブレーキ、ステアリングのすべてをシステムが自動で制御し、ドライバーの負担を軽減してくれます。他メーカーの軽自動車でも、上級グレードであれば類似のシステムは標準装備されているのですが、軽自動車クラスに搭載されているシステムのなかでは、やはり日産のプロパイロットの制御がもっとも自然であり、気持ちよく「機械任せ」にすることが可能です。
またもちろん日産 ルークス ハイウェイスター プロパイロットエディションは、ボディ両サイドのハンズフリーオートスライドドア(両手がふさがっていても、足の動きでスライドドアを開閉できる装置)等々も標準装備です。
2023年10月5日に発表された新型ホンダ「N-BOX」は、現時点(2023年10月上旬)においては日本で一番新しい軽自動車だけあって、各種の装備類は大いに充実しています。そしてそのなかでも、シリーズ中の上級ラインに位置づけられる「N-BOXカスタム」はさらに充実しており、「あったらいいな」と思うような装備はほぼすべて付いている――的な状況になっています。
具体例を挙げていくとキリがないのですが、運転支援システムである「Honda SENSING」やダイレクトプロジェクション式フルLEDヘッドライト、両側パワースライドドア等々は標準装備で、オプションとして「マルチビューカメラシステム」を装着することも可能。日産 ルークスのような「足でスライドドアを開閉できる装置」こそ用意されていませんが、まぁとにかく、いっさいの不満は感じないはずの装備内容になっています。
もうすぐ新型に切り替わりますが、スズキの軽スーパーハイトワゴンであるスペーシアも、最上級グレードの「HYBRID X」であれば、他メーカーの最上級グレードと同様に装備内容は充実しています。そのなかでもスペーシア HYBRID Xの特徴は、車内の天井に「スリムサーキュレーター」が装備されていることでしょう。
車内が広い軽スーパーハイトワゴンは、夏場に後席まで涼しくしようとすると前席が寒くなったり、逆に冬場は後席まで暖かくなりにくかったりするというやっかいな問題もあります。
そんな前席と後席の「温度差問題」を、スペーシア HYBRID Xのスリムサーキュレーターが解決してくれるわけです。室内の空気を効率よく循環させることで、冷たい空気や温かい空気の偏りを解消し、しかもコンパクトな設計だから、室内の広さを損なうことなく大きな荷物を載せることもできるという優れものです。
基本的には「実用性と経済性」こそが一番重要になる軽自動車ですが、やはり物事は「デザインの良さ」も伴っていないと、なかなか愛着は持てないものです。デザインが素敵な軽自動車のうち、代表的な3車種をピックアップします。
デザインに対する評価というのは人それぞれの主観に基づく部分が大であるため、「これこそが第1位!」的に断定してしまうのは若干心苦しいのですが、それでも筆者が考える「デザインが素敵な軽自動車」の第1位は、ホンダ「N-ONE」であるといわざるを得ません。
初代N-ONEは2012年にデビューし、現在販売されている2代目N-ONEは2020年11月に登場したのですが、その際、初代の外装デザインがあまりにも完成されすぎていたため、「ほぼ初代と同じカタチ」という異例のスタイルで2代目を登場させざるを得なかったほどです。さまざまなデザイン案が検討されたようですが、結局は初代の「タイムレスなデザイン」を超えるデザイン案は出てこなかったとのことです。
クラシカルかつオーセンティックでありながら、決して単なるレトロ趣味には陥っていないシンプルなエクステリアデザインは相変わらず絶品で、インテリアも、自然光を受けやすいようやや上向きにレイアウトされた装飾パネルなどにより、明るく清潔なイメージに仕上がっています。
主に女性をターゲットとしているスズキの軽自動車「アルトラパン」も、デザインの素敵さにおいては突出している存在です。
エクステリアデザインのコンセプトは「ぬくもりのあるカタチ」。従来型の「レトロな雰囲気」「シンプルな造形」などの特徴は受け継ぎつつ、全体的により丸みを帯びたイメージに一新。ヘッドランプやリアコンビネーションランプなども丸い形状としたほか、アルミホイールやホイールキャップには花をモチーフにした意匠を採用しています。
これらは明らかに「可愛い系」を狙ったデザインなわけですが、それでいて「決して過剰に可愛すぎるわけではない、シンプルビューティなデザインでもある」というところに着地しているのが、この車のデザインの素晴らしいところです。
インテリアデザインのコンセプトは「わたしの部屋」というものですが、ここでも、シンプルなデザインの空間であることが重視されています。そのため、スズキはこの車を「女性ユーザー向け」に作っているようではありますが、おしゃれな男性が乗っても、実は意外と似合う車です。
「ボディタイプが絶妙な軽自動車」の第2位と重複してしまいますが、「デザインが素敵な軽自動車」としてこれを挙げないわけにはいかないでしょう。小さなバス、あるいは往年の「ワーゲンバス」を想起させる、ちょっとレトロな可愛い系デザインの軽自動車です。とはいえ「過剰に甘々なデザイン」ということは決してなく、性別や年令にかかわらず乗りこなせそうな、シンプルな美しさが際立つデザインでもあります。
デザインは2種類用意されていて、2トーンの「ストライプス」は従来型の「カワイイ路線」を受け継ぐタイプ。ホワイト基調のインパネや、ソファのようなイメージのファブリックシートなども特徴です。ホワイトやメッキをアクセントとした外装パーツと、ウッド調の明るい内装パーツを組み合わせた専用パッケージオプション「リラックススタイル」を選ぶこともできます。
もう一方の「セオリー」は、シックで落ち着いた雰囲気が持ち味となるデザイン。エクステリアは単色のボディカラーにメッキ加飾をあしらうことで、上質さを演出。インテリアも深みのあるブラウンとネイビーを組み合わせることで、落ち着いた空間に仕上がっています。セオリー用のパッケージオプションは、メッキ加飾がポイントの「エレガントスタイル」のほか、ブラック基調の外装パーツとダークブラウンの内装パーツで渋さを演出した「ビタースタイル」が用意されています。
「新車を買ったはずなのに、すぐにフルモデルチェンジが実施されて“型遅れ”になってしまった」というのはなかなかの悲劇です。そんな悲劇を回避するには、新型としてデビューしてから比較的間もないモデルを狙ってみるのが一番です。
こちらも「ボディタイプが絶妙な軽自動車」部門の第1位と重複しますが、この部門でも推奨しないわけにはいきません。2023年10月5日に発表されたばかりの、今日本で一番人気の高い軽スーパーハイトワゴンの最新バージョンです。
シャシーやボディ骨格などは従来型から踏襲していますが、進化してきたライバルを再び突き放すべく各所はさまざまにブラッシュアップされ、総合的な性能や使い勝手はよりいっそう向上。さらに運転支援システムも4個のソナーセンサーを組み合わせた新世代のHonda SENSINGとなり、ホンダの軽自動車としては初めて、車載通信モジュール「ホンダコネクト」も搭載。またパワースライドドアも、リモコンキーのロックボタンを押しておけばクローズ後に自動でドアが施錠される「予約ロック機能」を追加するなど、その進化ポイントは枚挙にいとまがありません。
さらにシンプルに美しくなった内外装デザインと併せ、これから長きにわたって「最新世代の軽自動車である」という満足感を覚えながら、乗り続けることができるでしょう。
2022年11月に外観デザインが先行公開されるやいなや話題沸騰となり、2023年1月に予約注文の受付を開始。そして同年5月にいよいよ販売開始となったのが、こちら三菱「デリカミニ」です。
「DAILY ADVENTURE(日常に冒険を)」を開発テーマとしたデリカミニは、三菱「eKクロス スペース」の実質的な後継車。SUVテイストを感じさせるエクステリアデザインが特徴で、最新世代の三菱車に共通するグリル装飾「ダイナミックシールド」と、半円形のかわいいLEDポジションランプを内蔵したヘッドランプの組み合わせが目を引くデザインとなっています。
先行予約が始まった途端に1万6000台を超えるオーダーが入ったデリカミニは、数字が表すとおりの大人気モデルですが、決して「一過性の色モノ」的な存在ではなく、シンプルで普遍的な造形と基調とする本格派な存在感を有している一台です。それゆえ「すぐに飽きられる」ということもなく、今後長きにわたって愛し・愛され続けることになるでしょう。
日産「サクラ」は2022年5月に発表され、同年6月に販売開始となった軽自動車規格のEV(電気自動車)。搭載するリチウムイオンバッテリーの容量は20kWhで、一充電走行距離はWLTCモードで180km。普通充電の場合は約8時間で100%、急速充電の場合は約40分で80%までの充電が可能です。
モーターの最高出力は一般的なターボ付き軽自動車と同じ64psですが、最大トルクはガソリンターボ軽自動車の約2倍に相当する195Nmをマークします。ちなみに、バッテリーに蓄えた電気は家庭に給電することもでき、非常時には約1日分の電力を賄うことも可能です。
EVやバッテリーの技術開発は日進月歩の世界であるため、今後数年で何らかの技術革新が起こり、サクラのEVメカニズムが「古い」ということになる可能性はゼロではありません。
しかし日産「サクラ」は長距離をグランドツーリングするための電気自動車ではなく、主には「自宅近所での用を足すためのEV」です。であるならば、仮にEVの技術革新が起こってサクラのメカニズムが大いに陳腐化してしまったとしても、「じゃあ新しいのに買い替えなきゃ!」と思うことはあまりないはずです。
なぜならば、そもそも「近所で用が足せればそれで十分。それ以上の過剰な何かは、特に求めない」というタイプのEVだからです。
そういった意味でこの軽自動車も、ニューモデルの登場などを気にすることなく、ある程度長きにわたって乗り続けられる一台なのです。
タフでシンプルなつくりの軽自動車であれば、故障やその整備費用に悩まされるリスクは明らかに低下します。長期にわたって「無事これ名馬」という感じで乗れる軽自動車にはどんなものがあるのか、見てみましょう。
山の上にある発電所や豪雪地帯などで働く人のために開発された、「この車で走れない道は日本にない」とまでいわれることもある屈強な軽オフローダーです。2018年7月に登場した現行型は、直線基調のシンプルビューティなデザインになったことで、期せずして一般ユーザーから「超おしゃれ!」と評価されてしまい、普通の都市部においても大人気となりました。
しかしスズキ「ジムニー」の“本籍地”はあくまでオフロードであり、過酷なオフロードを走るために、全体が屈強でシンプルなつくりになっています。そのため、先代のジムニーユーザーのなかには「整備しながら、もう30万kmぐらい乗ってますよ」というような人も多かったのですが、こちらの現行型ジムニーも、おそらくは同様の結果となるでしょう。
消耗部品を交換しながらしっかりと整備すれば、半永久的に――というとやや大げさかもしれませんが、しかしそれに近いぐらいの期間、楽しみ続けることが可能な軽自動車です。
ダイハツ「アトレー」は、同社の「ハイゼット カーゴ」という、小口配送業者さんなどに愛用されている軽商用車の乗用バージョンです(※登録的には商用車)。
乗用バージョンであるアトレーは、完全な商用車であるハイゼット カーゴと違って「サーフボードや汚れたアウトドア用品を積んでも掃除がしやすいイージーケアマット」「車中泊時などに換気ができるポップアップ機構付きリアガラス」等々の装備が付いていて、ビジュアル的にもハイゼット カーゴよりはずいぶんしゃれた雰囲気になってはいます。
しかし中身はハイゼット カーゴそのものであり、そのハイゼット カーゴは、配送業者さんなどが仕事でガンガン酷使してもなかなか音を上げない、きわめてタフな商用車です。それゆえダイハツ「アトレー」も、その気になればガンガン酷使することができ、それでもそう簡単に音を上げることはない、非常にタフな軽自動車なのです。
スズキ「エブリイ」は、ダイハツでいうところの「ハイゼット カーゴ」に相当する軽商用バン。軽乗用車登録となる乗用バージョン「エブリイワゴン」というモデルを選ぶことも可能です。
こちらもハイゼット カーゴと同様に小口配送業者さんなどに使われている車であり、積載能力もきわめて高いことから「釣り人」「キャンパー」などにも愛用されています。
2015年のデビューということで、2021年12月にデビューしたダイハツ「アトレー」と比べると基本設計の古さを感じる部分がないわけではありませんが、「ガンガン積めてガンガン使える軽ワンボックス」として、相変わらず魅力的な選択肢ではあります。
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「買ってよかった!」と思える可能性が高い車種を選んだとしても、購入後の扱い方次第では、割とすぐに「もう乗るのが嫌になっちゃった……」となってしまう可能性はあります。そんな事態を回避するため、納車後は以下の3点に気を配ってみることをおすすめします。
まだまだ十分以上に走ることができる車であっても、そのビジュアルがあまりにもボロボロだと「百年の恋も冷める」というか、乗り続けるのが嫌になり、「まだ普通に使えるといえば使えるんだけど……売却しちゃおうかな?」なんて思いが頭をもたげてきたりするものです。
そういった事態を避けるためには、まるでスーパーカーのように「全天候型のガレージに保管する」というのが一番なのですが、さすがにそれを軽自動車でやるのは非現実的でしょう。
そのため実際には、内外装がボロくなるのを避けるためには「カーカバーをかける」というのが有効なのですが……これもまぁ実際には面倒くさいものです。
であるならば、やるべきこと・できることは下記の3点です。
●最初にしっかりと「ボディコーティング」を実施し、その後はまあまあこまめに水洗い洗車を行う。
●駐車場ではフロントガラスの内側にサンシェードを立てかけ、内装を紫外線から守る。
●過剰に神経質になることもないが、せめて月に1回ぐらいは、車内のホコリや食べかすなどを掃除機で吸い取る。
ビジュアル的にボロくなってくると「もうこの車、ちょっと嫌だな…売っちゃおうかな?」などと思うものですが、それ以上に嫌気が差すのは「車の調子が悪くなったとき」でしょう。ごくたまに調子を崩すぐらいだったらいいのですが、慢性的に調子が悪い車には、やはり誰だって乗りたいとは思いません。
車の調子を崩さないためにベストな方法は、なんだかんだで「正規販売店や専門工場などで定期的な点検を受け、点検結果に基づいて定期的な整備と部品交換を行う」ということになります。まぁこれを「半年に一度」のペースで行うのがベリーベストなのですが、実用的な軽自動車にそこまで手をかけるのもあまり現実的ではありません。
であるならば、こうすることにしましょう。
●せめてエンジンオイル交換だけは、1年に1回または1万kmに1回の頻度で行う(※ターボエンジン車は半年に1回または5000kmに1回)
●せめてタイヤはケチらず、すり減ったものをいつまでも使わず、新品に交換する。そして定期的に空気圧もチェックする。
本当は他にもいろいろあるのですが、せめてこの2つを行うだけでも、軽自動車の“健康寿命”はずいぶんと伸びるはずです。
どうしても「近場での使用」がメインになりがちなのが軽自動車というもので、それは決して悪いことでも非難されるべきことでもありません。
しかし自動車というのは「短い距離での移動とエンジンのON/OFFを頻繁に繰り返す」よりも、「長時間かけて長い距離をズバッと走る」というような使い方をしたほうが、各部の機械は長持ちしやすいという傾向があります。
そのため、普段はなかなか難しいでしょうが、「たまには軽自動車でちょっと遠くまで行ってみる」という行為を日々生活のなかに取り入れると、街なかでのちょい乗りだけをひたすら繰り返している軽自動車より、長く健康に乗り続けられる結果になるでしょう。
日本で販売されているすべての軽自動車は、「買ってよかった軽自動車」になり得るポテンシャルを持っています。そして、その軽自動車が「買ってよかった!」になるか、それともそうはならないかは、あなたの選び方次第です。ご自身のライフスタイルとニーズを冷静に把握し、それに合致するボディタイプや性能を有している軽自動車を購入するようにするだけで、ほぼ自動的に「この軽自動車、買ってよかった!」という結果になるでしょう。
A: ボディタイプや走行性能などが「あなたのライフスタイルに合っている軽自動車」です。そのうえで快適装備類がそれなりに充実しているグレードを選べば、たとえどんな車種を選んだとしても、あなたにとっては「買ってよかった」という軽自動車になります。
A: 最近の軽自動車はどれもそれなり以上の耐久性があるため、どんな車種でも基本的には長く乗り続けることができます。そのうえで「より長く乗りやすい軽自動車とは何か?」を考えるなら、「シンプルでタフなつくりである」「快適装備がそれなりに充実している」「フルモデルチェンジが行われて“型遅れ”になるタイミングがまだ先である」というあたりが必要条件となるでしょう。
A: すべてを挙げようとするとキリがなくなってしまいますが、このたび発売された新型ホンダ「N-BOX」は、ほぼ間違いなく「買ってよかった」と思えるだろう軽自動車の代表格です。そのほかは、ライフスタイルによって変わる話なので断言は難しいのですが、スズキ「ジムニー」も「買ってよかった」と感じている人が多い軽自動車です。
※この記事は2023年10月時点の情報で制作しています