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「バスラマ」では毎号、全国のバス事業者を訪問し、事業概要、路線展開、サービス展開、車両の現況などを紹介する「バス事業者訪問」が好評である。本連載はバス事業者からバス利用者に対するメッセージ発信の場でもあり、幅広い読者から好評を得ている。
「バスラマ」No.165では京都市内に本社を置く京都バスを訪問した。
京都バスは京都市内を中心に、一部滋賀県下にも伸びる一般路線バス、貸切バスおよび、旅客の範囲を限定した特定バスを運行するバス事業者である。
同社は1921(大正10)年、洛北自動車(株)として創立した。1926(昭和元)年には鞍馬自動車(株)に社名変更、1938(昭和13)年に雲ケ畑バス(株)を合併し路線拡大を図った。
また戦後1946(昭和21)年には嵐山バス(株)を合併し、現在の路線網の基礎を構築、併せて現社名に改称した。
以降は京都市交通局との運輸協定などにより路線拡大を進めるが、1970年代以降の乗客減少傾向に対しては不採算路線の整理を進めるとともに、1981(昭和56)年の京都市営地下鉄烏丸線の開業や1997(平成9)年の烏丸線国際会館駅延伸に際しては関連路線の再編成を行った。
近年はインバウンドなど観光客の増加を受けた新施策や、京都市交通局との連携、それに準じた運賃体系の導入など積極策が目立つ。京福電鉄の子会社であり、京阪グループの一員でもある。
京都市営地下鉄の国際会館駅前バスターミナルにて。
京都バスは右京地区と左京地区の双方に路線を展開し、地域住民はもとより、外国人を含めた観光客の重要な交通アクセスとなっている。国際会館駅前バスターミナルは左京地区の北部の要衝で、ここからさらに北部の大原や岩倉などに向けた路線が延びている。
上写真は、右京地区の清滝に到着した阪急嵐山駅からの便。ここは京都バスの路線では西の端。
京都バスは127台の車両を保有しており、車種は日野・いすゞ・日産ディーゼルで構成されている。日産ディーゼル(UDトラックス)のバス事業撤退により、現在の新車は日野といすゞが採用される。
バスラマ No.165では京都バスの車両を広範に紹介するとともに、在籍車一覧を併載している。
2017年夏に採用された大型乗合車の1台、ホイールベース5.3mのエルガ短尺車。本型式は京都バス初の大型ノンステップバスで、2015年式以降7台が在籍する。
トランスミッションはトルコン式ATが選択され、2016・2017年式はカラーLED式行先表示器を備える。
65号の車内は、都市型仕様・定員75人、ノンステップフロアに9席が配置されている。右側窓はメーカー標準の固定式ではなく上部引違い式を採用している。またシート生地はノンステップバス標準仕様の青系ではなく、伝統的な茶系を採用している。
なお側窓には広告や告知の類は一切ない。観光地のバスとして、快適な車内空間と窓外の眺望の向上につなげている。
2013年まで採用され、京都バスの代表的仕様となっているホイールベース5.3mクラスのワンステップバスの1台。
エルガと同じ4灯式マスクを持つ平成15年規制適合のブルーリボンⅡで2006・2007年式計7台が配置される。
2001~2005年式13台が在籍するブルーリボンシティワンステップ。
ホイールベース5.2m、車内は都市型・定員72人で中扉から後方の床面は段上げしている。
2000年代初頭までは路線環境に応じ、大型車幅で全長9mクラスの短尺車も採用された。
本型式は3台在籍するツーステップ・リーフサスの短尺車で、京都バスが長年にわたり採用した富士重工製。補助席付で定員60人。
エンジンは中型車用と同じ6HH1型210PS。なお京都バスではこのクラスを中型に分類している。
2003・2005年式計4台が在籍する西工製のUAワンステップバス。ホイールベース5.3m、定員73人。
なおUAワンステップには富士重工製もいたが既に引退した。
発売中の「バスラマ」 No.165では、京都バスの近年の動向についてお聞きしたインタビューを7ページに渡って掲載している。また、「バス事業者訪問」のほかにも、さまざまな特集を展開している。