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ミステリーツアー。それは参加者に行先を秘密にしたまま出発するツアー。「他のツアーで売れ残った人気のない場所に連れて行かれるんじゃ?」的な不吉な予感と、「観光地としてはマイナーだけどすごく楽しい掘り出し物な場所に行けるんじゃ?」的なおトクな予感が入り混じる、参加するのにちょっと勇気のいるツアー。
けれど、聞いてしまったのです。「最近のミステリーツアーはその時旬なスポットへ行くので、お得でアタリなことが多い」なるウワサを!
それはぜひ検証せねば! ということで早速、ミステリーバスツアーに潜入してきましたよ。
今回参加したのは日帰りの「いちご狩りミステリーツアー GOGO大作戦」。新大阪駅から出発のルートです。事前に知らされた概要はというと…。
万が一、伏せ字部分がハズレだったとしても、いちご狩りといちごのお土産、すき焼きとふぐのランチは確定! これはいい!
大阪から日帰りで行ける場所のブランド牛なら、神戸とか近江かな? 「いちご〇◯」はつかみ取りできる大きさなら、飴とかチョコ? などなど始まる前に色々想いを巡らせる、これもミステリーツアーの醍醐味かもしれません。
当日朝の新大阪駅、集合場所の目印は旗を持った添乗員さん。受付を済ませ、ツアー参加証代わりのシールを受け取ります。なおツアー参加費は事前振込なので、ここでお金のやりとりはなし。
バスに乗り込み、さあツアー開始。この日のツアーは47人、バスは満席でした。聞けばやはり週末は人気とのこと。バスツアーにゆったりと参加したいなら、ツアー内容がどれでも、まず平日参加がおすすめだそうですよ。
この日の行先は、出発しても秘密のまま。東へ行く? 西へ行く? 意外と大阪県内を巡って終わる(流石になさそうだけど)? 謎、謎、謎…参加者に知らされているのは下記行程のみです。
行先が秘密のままなので、バス車内での行先説明もありません。「今回のツアーは迷子になる可能性は少ないと思いますが、念のため」と緊急連絡先が配られたら、添乗員さんの説明は終了。バスはつつがなく高速道路に乗り、早朝出発だったため車内ではちらほら眠りだす人も。
ここで添乗員さんからお知らせが。「1号車と2号車の兼合いのために、当バス(2号車)は昼食が先となります」とのこと。じゃあ「海産物のお買い物」と「レストラン」が入れ替わるのかな?
とりあえず最初の目的地は「まるで海外のよう!」な「関西発バスの旅初登場の話題のスポット」だな。
と、思いつつ到着したのは…
ジャパーン!!!(思わず郷ひろみ)
確かに、到着前に添乗員さんから「行先は秘密なんですが、車内販売は事前に個数を把握する必要がありますので、すみませんが大人の事情、ということでひとつ」と配られたお土産案内のチラシ!
まさかの釣り鐘まんじゅうでしたが! 想像はしてましたが!
でもそんなのあり? いくらなんでも道成寺を「まるで海外のような〇〇」って言う??
と、思いつつよくよく周囲を見渡せば…
昼食会場はこちらです、との添乗員さんの説明あり。
つまりこちらの道成寺は、昼食と同時に立ち寄るので特に日程表に書いてなかった観光地。「まるで海外のような」場所と「海産物のお土産」の場所は両方ランチの後なのでした。
ミステリーツアーなので添乗員さんが行先を明確に言えないがためのこちらの勝手な誤解、失礼しました。
なお道成寺とは、安珍と清姫の悲恋物語や、物語を元にした「娘道成寺」などで有名なあの道成寺。和歌山県最古の寺で、境内には美しい千手観音像や道成寺七不思議スポットなどがある、見応えのあるお寺です。
一安心して、いざ昼食。「〇〇牛すき焼き&ふぐてっさ」です!
昼食は大広間での会食スタイル。同行者とは隣や正面の席に座れるよう割り振ってくれます。個別にドリンクやお酒も注文OK。お目当てのすき焼きは座席が決まってから火をいれるので、座った時からクツクツ煮え始めます。
熊野牛のすき焼き、ふぐてっさ、ふぐから揚げ、梅そば、茶わん蒸し、金山寺みそ、うめぼし、それにご飯で8品。紀州名物がたくさんなのが嬉しい!
満腹になった後は店舗下のお土産屋さんも物色。道成寺も行ってご飯も食べて、すっかり一しきり遊んだ気分になりましたが、ツアーのメインはこれからなのです。
今回のツアーのメインはそう、いちご狩り! 次にバスが向かったのは、観光農園「ひだか」さんです。
広い敷地にいくつものハウス農園。最初にスタッフさんからいちご狩りの説明を受け、食べる前にさぷっといちごを洗う用の水の入ったミニ容器を受け取ったら、さあ30分間のいちご狩り開始!
いちごが大振り! それに茎についたまま完熟したいちごはとっても甘い! 昼食のすぐ後だからあんまり食べられないかも…なんて思っていたのは最初だけ、気付いたらめいっぱいいただいておりました。
この後にはいちごジュースといちご大福作り体験。さすがにそこまではもう食べきれるかどうか…と思っていたところ、いちごジュースはほんの一口、いちご大福もミニサイズでした。お腹具合的には丁度いい(笑)。それにさすがいちご農園のいちごジュースといちご大福、新鮮いちごの果実感がとっても美味しい二品でした。
バス乗車時には、「本来、お土産は最後のお渡しなのですが、いちごはナマモノなので先に」とのことで、お土産のいちごを受け取りました。
次の予定は「いちご〇〇つかみ取り」。いちご農園の隣にいちごお土産ショップでもあるのかなと安易に考えていた予想はまったくハズれ、バスが次に停まったのは「紀州 梅干館」。
こちらでつかみ取りするのは阪急交通社オリジナルパッケージの、この季節限定の「いちご梅」!
こちらはなんと歌手の坂本冬美さんが以前勤めていらした会社とのこと! 館内にはお写真もありました。好きな方には嬉しい場所ですね。
館内にはお土産ショップあり。様々な梅干しはもちろん梅ジュースや梅のお菓子、梅酒などもありましたよ。
もうすでにあれこれ遊んでいるので、車内ではとろとろっとうたたねタイムの人が続出。バスはそこから1時間ほど走り、「〇〇〇(海産物のお買い物)」編へ。
到着したのは活気にあふれた「黒潮市場」。ずらりと出店が立ち並び、氷の上にはタイやイサギ、水槽にはサザエやアワビ、たらいにはシラスやししゃもが山盛り! ホタテのバター醤油焼きやエビの一尾焼きなど、その場で買って食べられるおいしいものもいっぱいです。
その場で買ったものを座って食べられるコーナーや、買って帰りたい佃煮や干物のお店、お菓子やお土産など海鮮以外のコーナーもあり、ついつい長居したくなる黒潮市場。時間がなくて断念しましたが、自分で買ってその場で焼けるバーベキューコーナーもありましたよ。
バス1号車の人たちは、昼食前にここを訪れているはず。お腹が空いている時にこの市場でこんなに美味しそうなものをたくさん見たら、次は昼食ですよーって言われても我慢できずに食べちゃいそうですね。
そしてバスは最後のスポットへ! 事前情報は「〇〇〇(まるで海外のよう! 関西発バスの旅初登場の話題のスポットへ!<40分>)」とのこと。到着したのは…。
和歌山の海岸「雑賀崎(さいかざき)」。新日本観光地百選(1950年)で海岸の部第1位を取った景勝地・和歌浦の、唯一の自然海岸景勝地です。「海沿いの岸壁に家々が立ち並ぶ様子が、まるで南イタリア・ナポリ近くのアマルフィの美しい景観のよう」とのこと。
しかしこの日は天気が雨のち曇り。空が暗めだったため、イタリアイメージにはちょっと遠くなったのが残念でした。
晴れていたらもっと綺麗だったんだろうけど…と思いつつも、やっぱり海が綺麗。遠くに見える島々の影も素敵でした。なおここからの夕陽は絶景だそうですよ。
バスツアーの最後が雄大な景色で締めくくられるのはとても良い心地。これまでの場所で散々食べて遊んできていますので、最後は清々しく、ああ今日一日楽しんだな、という感じがしました。
帰路のバス車内では、「バス車内にて『謎解きミステリークイズ大会』を開催! 全問正解者にはちょっぴりプレゼントも!」の告知の通り、和やかなクイズタイム。難しいことはなく、全員プレゼントが受け取れるようなクイズです。すっかり頭が帰路モードへ切り替わっている時にお土産が貰える形になるのが嬉しい。
そんなこんなで最後まで楽しんでいるうちに、バスは大阪駅へ到着。約10時間のバスツアーはこれにて終了です!
貰ったお土産は、クイズ正解者のちょっぴりプレゼントも入れて全部で4種類! いちご(4パック)、つかみ取りしたいちご梅(7つ)、夕食(これはバス車内でいただいても良し)、鮪のおかき(ちょっぴりプレゼント)でした。
お土産がメインのツアーではないにしては、なかなかのボリューム。しかもいちご狩りするならまずお土産で買いたいいちごが無料でお土産につくのが嬉しい!
今回のミステリーツアーでの全ルートはこちら。昼食と道成寺をまとめて1カ所と数えて、一日で5カ所を巡りました。
例えば新大阪から道成寺まで電車で行くとすると、交通費は3,990円。梅干館から黒潮市場までは2,290円。雑賀崎から新大阪までで2,920円。(※特急「くろしお」に乗車した場合)
個人で巡ろうとしたなら、交通費だけで元が取れる計算。しかもこちらは座席確保の直通バス。更には駅から少し歩く場所が多いので、バスで目の前まで行けるのも大きなメリットです。
そして、熊野牛のすき焼きやふぐてっさの昼食やいちご狩りの料金は全部込み。いちご大福作り体験やいちご梅つかみどりなど、個人で体験しようとすれば細かく料金のかかってくるポイントもみんな値段込みです。
その上5カ所の観光スポットを巡るということは、一日盛りだくさんに遊べるということ。これはなかなかの優秀コスパではないでしょうか!
また、「次はどこへ行くんだろう?」とクイズ感覚で参加できるので、ミステリーツアーそのものが一日かけて参加するゲームみたいなもの。このワクワク感は他のツアーでは味わえない魅力ですよ。
どこへ行くのかわからないミステリーツアー。特別な用意は要らないとは言え、やっぱりあると便利なものも。おすすめの持ち物をまとめました。
★防寒対策!(夏冬問わず)
ミステリーツアーは海に行くのか山に行くのかわからないツアー。防寒対策は必須です。夏でも冷房の効いた場所に行くかもしれないので、やはり羽織りものなどを用意した方がベター。
またバス車内は収納スペースが限られるので、なるべくコンパクトに畳めるものがおすすめです。
★バッグ類
ミニバッグ
「日帰りツアーだしそんな大荷物じゃないし」と思っても、やはりミニバッグはあった方が便利。何故なら日帰り荷物とは言え、折り畳み傘や常備薬など、40分程度の観光には不要なものが結構バッグに入っているものだから。それに何カ所も巡っているうちにお土産も増えていきますからね。
なので、ハンカチ・お財布・携帯電話が入るサイズのミニバッグを一つ用意しておくのがおすすめ。なお停車中のバス内は無人となることもあるので、貴重品は必ず持っていきましょう。
エコバッグ
貰ったり買ったりしたお土産には、大概の場合持ち歩き用の袋がちゃんとついてきます。でもそれがだんだん増えていくのがバスツアー。一つに纏められる大きなエコバッグが一つあると便利です。
また、更にお土産をたくさん買う予定のある人はS字フックがあると便利。前座席の後ろに引っ掛けることで、車内の収納スペースを増やすことができますよ。
(陽月よつか)