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奈良県キトラ古墳の壁画をイメージした「四神シリーズ」。「朱雀」に続く第2弾は、東方を司る青き龍「青龍(せいりゅう)」です。
ひときわ目をひく車体は、スポーティなブルーメタリックで覆われ、側面を流れるように描かれたラインは龍が天に昇る「昇龍」をイメージしています。また風水における四神の青龍は「東」を意味します。東は春を表すシンボルとされているので、若い息吹を感じさせるデザインのバスとなりました。
ブルーメタリックの華やかな塗装の中にも奈良交通のこだわり、伝統が受け継がれています。正面から流れるゴールドのラインの下に描かれた3色のラインは、奈良交通のシンボルデザインを継承。奈良交通ファンにはたまらないこだわりを感じられる装飾です。
車内に足を踏み入れると、そこも青を基調とした空間が広がります。一般的な大型観光バスの座席は、補助席も含め50席から55席。それと比べ「青龍」は4列×8の32席で、1人当たりの空間は2倍近く広いです。シートピッチは新幹線に匹敵する101.5cmを確保しています。
そのため、座席前のテーブルを開いた状態でも座席の移動が可能です。さらに、ハイデッカー車よりも25cm車高が高いスーパーハイデッカーを使用。ひときわ高い座席から眺望を楽しめます。
ツアーは日帰りから1泊2日まであり、座席に座っている時間が長いので、移動中の時間も快適にくつろげるようになっています。リクライニングは夜行バスに負けないくらい傾斜でき、腰当てクッションも用意されています。
快適な座り心地をサポートするのはシートだけではありません。ファスナー式のヘッドレストは無段階で上下に可動できるので、個人差がある頭の位置に合わせて調整できます。
座席横のレバーで起き上がるレッグレストはふとももをお好みの角度で優しく支えてくれて、あわせてフットレストを併用すれば自宅のリビングで寛いでいるような感覚です。
今回新しく採用されたのは、携帯電話などの充電が可能な2口USB専用端子。昨年から運行している「朱雀」では窓側にのみ1口だけ設置されていますが、「青龍」では前方座席の中央に設置され、左右両方の座席から2つを同時に利用できます。
もちろん、USB専用端子だけでなく100VのACコンセントも座席毎に設置されています。充電ケーブルだけの使用でも、ACアダプターでの使用でもダブルで可能という、時代のニーズに合った電源サービスです。
「青龍」の大きな固定窓には、紫外線などをカットするグリーンガラスが使用されています。日差しが気になる場合は、片手でさっと下ろせる無段階のロール式カーテンを使いましょう。ロール式カーテンは従来のように前後からカーテンを引く手間がありません。
柱灯にもこだわりが溢れ、車内の空間演出に一役買っています。車内8カ所に設けられた柱灯は、青く光る青龍の文字と龍の図柄が印象的です。
「青龍」のお手洗いは車両最後尾にあり、バス車両の設備としてはあまり例を見ないシャワー式便座を採用。また、化粧室には折りたたみ式の座席を設置しています。振動があるバスの車内でも安心して鏡台の前でメイクが可能な、女性に優しい設備です。
車内で過ごす間、空調は快適な温度になるように調整されていますが、寒暖は個人によって差があります。寒い場合は上質な手触りの青龍オリジナルブランケットを使いましょう。
また、観光名所でバスから降りたら急な雨!? そんな時は青龍オリジナルの雨傘が用意されているので、ツアー中座席に雨傘を持ち込む必要がありません。
奈良交通が提供する「青龍」のバスツアーは「プチぜいたく」がセールスポイントですが、車両の安全設備に関しては決して「プチ」ではありません。常に乗客の安全を最優先にと考える奈良交通は、国内の観光バスでは最高水準の安全設備「EDSSドライバー異常時対応システム」「衝突被害軽減ブレーキ」「車線逸脱警報システム」を備え、楽しいバス旅に安心安全を添えて走ります。
2019年にデビューした「朱雀」は、ツアーの発表と同時に完売になってしまうプランもありましたが、「青龍」の登場でツアーに参加できるチャンスも増えそうです。
ちょっと気が早いですが、キトラ古墳の壁画になぞらえた「四神シリーズ」はあと2台。こちらもどんな車両になるのか今から待ち遠しい限りです。
(出雲義和)